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2013年8月

クレマンのおいしい飲み方

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クレマン(発泡酒)はグラスを置いてそのまま注いでください。
軽く泡立った方が味、香りが立ちます。
グラスを斜めにして泡立たないように注ぐと香りが立たず、味わいが隠れたままです。
また、残ったものはキャピタンのラバーのコルクをギュッとさしこむか、ポンプで空気を抜くかして冷蔵庫に置けば、いくらかでも炭酸ガスが抜けずに残ります。
そして飲み残したもののように栓を抜いてかなりの時間がたった者はグラスを斜めにして、できるだけ泡立てないようにして注ぎます。泡立てると炭酸ガスがほとんどなくなり、香り、味わいも一気に飛んでしまいます。
少しのつっかかりもない、自然な淡さに満ちた香り、小さな密度の高い泡が立ち上り、優しく優しく、舌を愛でます。透明な流れるような味わいがフツフツと心に語りかけます。

ドゥニ・リュッフェル氏2013年度講習会 弓田亨の挨拶

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◆お菓子講習会開始の挨拶(86日・8日 於:ドーバー洋酒貿易)

皆さんおはようございます。

まず今年28回目のドゥニさんの講習会がこの快適な会場で開くことができますことをドーバー洋酒貿易株式会社様、ご参加された皆様に厚く御礼申し上げます。

さて、ドゥニさんは先月30日に日本に着かれ、料理・お菓子のための食材の選択、試作を重ねました。料理の講習は3日と4日に行われ、本当においしい料理を皆さんつくられ、幸せな時間をつくられました。

今年もまた、素晴らしいサラダがありました。

キュウリ、ジャガイモ、数種のサラダ菜を全国各地から取り寄せ、食べていただきましたが、おいしいものはただの一つもありませんでした。

ドゥニさんはこう言われました。

「栽培方法の問題なのだろうが、それぞれに、自分の野菜のイメージを満たす匂いや味わいをまったく持たないものばかりで、目をつむって食べれば匂いも味もほとんどないから難を食べているか分からないだろう。これでは選びようがない」

これは日本の産物に対する痛烈な警告なのです。その中から注意深く一つずつ食べられ、少しでもましなものを選び、サラダなどをつくられました。もちろんフランスでの味わいを完全にとはいきませんが、本当においしいサラダなどがつくられました。

今年で28回目。私たちがいつも考えることは一つです。

特に食の領域では、偽りが溢れています。真実のおいしさを見つけることはほぼ不可能となりました。私はいくつかの著書の中で述べていますが、日本の食は破滅的な状況にあります。ドゥニさんの、時代に影響されない、それを食べる人の心と身体に喜びと幸せを与える料理、お菓子を一人でも多くの人に見て食べていただき、真実の幸せなおいしさを知っていただき、それによって日本の食の状況を知り、何とか少しでも良い状態を取り戻さなければならないと考えるからにほかなりません。

どうか今日・明日の2日間、本当においしいお菓子ができてまいります。どうぞ楽しくお過ごしください。


 

◆お菓子講習会終わりの挨拶(87日・9日 於:ドーバー洋酒貿易)

皆さん、フランス菓子のおいしさ、嬉しさ、奥深さ、そして味わいの領域の広さを知っていただけましたでしょうか。私にとってもこの夏のドゥニさんとの時間は、向こう一年間にむけての大きなインスピレーションを膨らませるための大事な時です。

今回も大きな示唆を与えてくれるお菓子が数多くありました。

そのうちの一つ、ガトーバスク。これはイルプルーの1年で私も作ったことがあります。

まずはじめにドゥニさんのようにパートゥ・シュクレ、クレーム・パティスィエールにチョコレート、ココアを加えてつくりました。でもとても強烈な、まったく初めての味わいに今から考えれば萎縮してしまいました。

何か味わいが成り立たないように思えたのです。

そしてパートゥはチョコ、クレームは通常のクレーム・パティスィエール、中にガナッシュをはさみ、本来のガトーバスクらしさを残そうと考えました。

しかしドゥニさんはすべてを黒くし、本来のガトーバスクを包み込み、より大きく深い味わいを得ようとしました。このルセットゥが送られてきたとき、ちょっと愕然としました。しかしルセットゥに従って試作してみると、本来のガトーバスクを大きく超えた味わいが姿を現しました。私は心の中で「んー」と唸り声をあげました。ドゥニ・リュッフェルの強烈な個性と正統の伝統が融合した境地を感じました。そして人間の精神の可能性を知りました。何事にもひるんではいけない。そんな示唆を与えてくれたガトーバスクです。

このドゥニさんの講習会はイル・プルーの存在の意義を社員と共に確認する時間であります。今回も店のラボ、教室だけでなく全社員がずっと準備し、そして心を一つにさせてくれます。

来年もこのような時間をドゥニさんと皆さんと共有できることを願います。

ドーバー洋酒貿易様、参加された皆様、通訳の舘さん、アシスタントの細川君、そしてイル・プルーのスタッフ、皆さんに感謝いたします。

 

 

◆パーティー、懇親会での挨拶(89日 於:ポール・ボキューズ)

今回、28回目の講習会を無事に終えることができました。

730日、ドゥニさんを空港に迎えに行ったとき、一緒に行った若者の社員が「私も28歳で、この講習会と誕生の年が一緒なんです」と聞いたとき、改めて28回ってことは28年ってことなんだ」そうか、そんなになったかとこの時間の長さを認識しました。

しかしドゥニさんの仕事に突き進む意志の強さととてつもなく大きい絶えることのないエネルギーを感じます。少しも衰えていない。

今、これまでの講習会のお菓子、料理を作ってみています。その中で彼のお菓子に対する考え方、イメージが次第に深化していくのが手にとるようにわかります。特にこの10年は深みをと力を増してきています。

今、彼は61歳。でも少しもそのイメージは衰えていない。

それは今まで自分の人生を突き詰めることによって得た、巨大に蓄積されたものであると思います。彼と巡り合い、さらに友情を深め合うことができるのは、私に人生の大きな喜びです。この幸運な人生を皆さんと共に分かち合えることができ、私も本当にうれしいです。素晴らしいデモンストレーション、本当にありがとうございます。

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