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2013年3月

日本産ワインへの私の考え

勿論多くの日本のワインを飲んだわけではありません。しかし、私の国産のワインへの印象は飲みたいとは思わないという一言に尽きます。飲んでも感覚の高ぶりを感じないのです。イル・プルーのお菓子教室に、あるのブドウ園の娘さんが通っておられました。そしてその親戚ではワインを作っておられました。あるときその方に日本のワインに対する考え方を述べました。そしてそのワイナリーの方は「確かにその通りだ。何とかフランスのようなワインをと思ってやってきたが結局できなかった」というように言っておられたそうです。ある時までは、私はその理由は気候と土に含まれるミネラルの幅と量の乏しさにあると考えていました。

しかし、1年ほど前に『ワインづくりの思想 醸造地神話を超えて』(麻井宇介著/中公新書刊)という本を読みました。そこには「ワインの特性は土によってすべて決まるのではなく、作り手の考え方、精神性によって作られる」とありました。とても興味深い内容で、日本の土がすべての原因ではなく、作り手の精神性さらに言えば日本人の国民性がフランスで飲むような感情の動きを感じるワインがつくることができなかったのかもしれないと思いました。

これはお菓子作りにおいても全く同じなのです。日本にはフランス菓子店というものが本当に多くありますが、真にフランス的な味わいを持つフランス菓子は私の店イル・プルーを除けば殆ど見つけることはできません。それは何故かと言えば日本人はその国民性の中に味わいの「多重性と多様性」というものをほぼ理解できないのです。長年フランスでお菓子作りを続けた人でも一度日本に帰り、自分の意志でお菓子を作り続けるとたちどころにフランスで作っていた「多重性と多様性溢れる味わい」を潜在的な日本人としての意識のもとにたちまち見失ってしまうのです。「多重性と多様性」とは様々な香り、食感、味わいを可能な限り、その味わいの中に投げ込み全体の調和、バランスを取るということです。つまりそれぞれの味わいの要素を出来るだけ取り除き単一、希薄な味わいを目指すのです。いわゆるすんだ味わい、繊細な味わいを無意識のうちに目指すのです。

無に近い繊細さを最上のものとしてしまいます。これは、今の日本酒の作り方、味わい和菓子、和食全ての職の領域に存在します。

しかし、大事なことは希薄な要素しか存在しないことが繊細さではないのです。様々な要素が豊かに重なり合って微妙なバランスがとられる。これが真の繊細さです。

例えば、前例のコンドリュー、正に人間の心の小さなきびにまで話しかける繊細この上ない味わいです。様々の豊かな要素が重なり合い要素間のバランスの上に味わいが成り立ちそして直接の感覚では見えないバランスの中に隠された豊かな要素が人間の感覚に働きかかけるからこそあの味わいの感動があるのです。

しかし、私もフランスから帰って日本でお菓子作りを始めた時にやはりいつの間にか様々な要素が希薄な味わいへの潜在的な衝動につかまれてしまいます。

そして、ここで100%近い菓子屋はここで止まってしまいます。

「多様性と多重性」を理解することなしに、形だけの希薄な味わいのフランス菓子をずっと作り続けるのです。私は、様々な理由により日本人としてはほぼ例外的にこの味わいの領域に辿り着くことができました。これはフランス料理の領域においても同じなのです。

前述の本を読んで私の考えは修正されました。私には殆ど感動を与えない日本のワインは土の質だけではなかったのです。味わいの「多様性と多重性」を理解することができれば確かにいくらでもあったのかと考えています。

例えば、土の中のミネラルがフランスと比べて幅と量的に乏しかったとしても、その土に様々の考えを駆使して土の中のミネラルの量と種類の豊かさは変えることができたはずです。

ブルゴーニュのオートゥ・コートゥ・ドゥ・ニュイの畑には雨が少ないために多くの化石が今も混在され、たまに降る雨がこの化石を溶かし土に豊かなミネラルを与えています。日本にも川に積もった貝の化石を含んだ全く自然な、豊かなミネラルを含んだ肥料が採れる所もあります。「多重性と多様性」を認識し、これを執拗に追い求めれば土はそのように変わっていくことも出来るのだろうとも考えます。


>>>続く

田崎氏の志の低さ

世界のトップクラスのワインのコンテストで優勝し、現在国際ソムリエ協会の会長の地位にあるという田崎氏のこれまでとってきた行動はあまりにも志が低く、日本人の健康への大きな冒涜であるとしか私には思えません。

コンテスト以後、氏は日本のワイン界に大きな影響を与えてきたのですから。安易に二酸化硫黄薫蒸よりはるかに毒性の亜硫酸化合物の添加によるスクリューキャップへの変換などは決してすべきではなかったのです。氏は亜硫酸化合物が強い毒性を持ちしかも発ガン性を持っているものであることを全く知らなかったのでしょうか。知らなかったとしたら、それは全く無責任な行為であり、また知っていたとすれば、信じがたい行為としか言いようがありません。またそれを知っていたとしたら、未必の故意であり、事件の性質としてはサリドマイド事件での製薬会社と国の責任と同じ重大さを持ちます。

ある領域の頂点にある人は、自己の利益だけ位に基づいて行動するのではなく社会的な正義性と社会貢献しようとする気持ちを持たねばなりません。

何故、これほどに毒性が強く発ガン性があるものを大企業の要望の下に進めたのでしょうか。亜硫酸化合物など加えなくてもする手だてを何か考えようとはしなかったのでしょうか。私の友人の娘の38歳という若くしての発ガン、私の食の経験から言えば間違いなくワインは主要な原因の一つと言わなければなりません。

誰もワインが健康を著しく壊すとは思わないでしょう。これがとても怖いのです。表面に出なくても潜在的な病気の原因を作り出すことは間違いありません。その意味に於いて、田崎氏をはじめと留守ワイン業界の上の位置にある方々には大きな責任があると言わざるをえません。


>>>続く

どのような運搬手段でも、 ワイン本来の味わいそのままに日本に到着することは出来ない

 フランスからワインを移動させるには、次の3つの場合しか考えられません。

 

1)船便によってワインを日本に輸送する

 ワインのドメンヌからル・アーブル港までトラック便で運ばれ、そこから船便でリファーコンテナで出航し、1ヵ月の長旅の後に東京・横浜の港に入港し、倉庫で保管されます。

◎一か月以上長期間ワインは揺られるので、日本到着時には本来のものとは全く異なる味わいが希薄な、少しも旨くない間の抜けた味わいしか感じることは出来ません。3ヵ月でかなり味わいは戻りますが、最も良い状態までは数ヵ月が必要です。

 

2)航空便によって運ぶ

a) トラックなどで空港に運ばれ、加圧保温(常温)していない貨物室で、マイナス40℃の気温にさらされながら15時間弱飛び、日本の空港に着く。

・通常の航空便と旅行で手荷物として

☆以前は客室内にワインを持ち込むことが出来たが、現在は保安上全て手荷物として出し、マイナス40℃の冷気にさらされる。

◎トラック、飛行機での揺れにマイナス40℃のダメージが重なり、1)と同様やはり本来の味わいとはかなり違う状態となっている。またマイナス40℃に冷えるとダメージは休ませても殆ど戻らないように思う。

※私はこれまでフランスから自分が持ち帰ったワインは次のようにして飲んでいました。

 

 少しでも微生物が侵入するのが遅くなるようにと思い、瓶の先のキャプシール下2cmほどまでセロテープでぐるぐる23重に巻き、20日ほど10℃のところに瓶を倒しておき、味を回復させ、そして日本着後30日以内に飲んでいました。まだ味わいは殆ど戻っていませんが、それ以上あまり長く置くと微生物の侵入によって次第にワインは変質していくからです。

 

b)加圧保温(常温)してある機内に入れ運ぶ

・以前の客室内への持ち込みと同じ

◎トラックと飛行機での比較的短い揺れのダメージのみであり、3つの手段の中では最もダメージは小さい。しかし到着時はこれもやはり本来の味わいとはかなり違ったものになっている。

・ワイン100本を小さなコンテナに入れ、ペットなどを運ぶ加圧保温された航空便で日本に運んだことがあります。到着時はやはり本来の味わいとは変わっていましたが、6ヵ月後、試飲では最も良い状態に戻ったと思います。しかし費用は100本で50万円以上かかりました。例えコンテストのためのワインであっても、私以外に誰もこんなことはしないでしょう。

 

◎いずれの場合でも日本に着いた時点では特に①と②のみでは本来の味わいとは全く異なる味わいに変化しています。それから1ヵ月休ませたとしても、味わいはあまり復元しません。やっと飲めるようになるまでは最低3ヵ月が必要です。

そして、到着時から腐敗菌のため、ワインは異常発酵していき、1ヵ月後にはこの変化の方が強く感じられる場合の方が多く、この場合はさらに本来の味わいから離れていきます。


>>>続く


それにしても理解できない日本でのコンテストの開催

既に詳しく述べたように、ワインは船、飛行機どちらで運ばれても、日本側着時には本来の味わいとは全く異なるものに変化しています。そしてそのワインの味わいの特性がある程度戻るまで少なくとも3ヵ月は必要です。そして本来の味わいに近づくためには更に3ヵ月、計6ヵ月は必要です。しかし、ワイン(二酸化硫黄のみのもの)は日本に着いてから1ヵ月で雑菌の侵入によりかなり味わいが変質し、23ヵ月もすれば色合いは黒ずみ、甘みがすべてを包んだ繊細な様々な香りがだらしなく混ざり合ったような鈍重極まりないものになってしまいます。

つまり、いずれにしてもこの日本ではフランスなどで飲む本来の味わいはどこにも存在しません。また本来の味わいに近いものさえ見つけることは不可能なのです。ワインを口に含んで、強く揺すれば、隠れていたそれぞれの味わいの個性が現れてくるから、多少変質しているワインでも生産地くらい分かるんだ、なんてことはありはしません。

コンテストを主催するフランス人達は知らなかったのでしょうか。あるいは、そんなことはどうでもよかったのでしょうか。私の考えでは、そんなことは知らなかったし、またどうでもよかったのだと思います。日本人が喜んで熱狂してワインに興味を示すパフォーマンスを断固やることが、目的だったのです。

ワインは、日本でどのようにしても大きく変質してしまうのですからそれを正しく評価して、そのワインの名を当てるなどのコンテストを開くこと自体がおかしいのです。むりやり日本でコンテストを開催すること自体、理不尽であり変質したワインの産地を正しく言い当てることも不自然なことなのです。むしろそれを言い当てたとしたら逆におかしいことではないのでしょうか。それでも日本でコンテストを行いたいのは、金のある日本人にもっと大量に飲んでもらうために、日本でセンセーショナルなイベントをやり、日本人をその気にさせようという意図がフランス側にあるのは当たり前です。

とにかく、何としてでも日本にワインブームを起こし、フランスからのワイン輸入を増やすのだという強い意図が生々しく感じられるのです。私は日本に輸入されたワインを恐らく味で一番熟知しているものとして、この大きな疑問を提示したいのです。


>>>続く

田崎真也氏らには防ぐ責任があったボージョレ・ヌーヴォーの完全な変質

 毎年毎年、むなしいバカ騒ぎが繰り返されます。

 多くの人が有難がって頂くボージョレ・ヌーヴォーもまた、とうの昔に人間が飲むべきものではなくなっています。そして私の知るボージョレ・ヌーヴォーの味わいとは全く異なる不自然、深い極まりない味わいです。たっぷりの亜硫酸化合物、青黒い新酒の色。不自然な、濁った匂い、味。よくもこんなものを性懲りもなく飲み続けることが出来るものだと呆れてしまいます。

 もう何年か前から、78本のボージョレ・ヌーヴォーの栓を抜いても全部こんな具合でした。ある人から貰う1本だけが、正に発酵が終わって間もないブドウのフルーティーでフレッシュな香り、味わいを持ったヌーヴォーの味わいなのです。亜硫酸化合物も加えられていないようです。この1本はこの方によればエールフランスがフランス大使館のために輸入したワインとのことでした。悲しくなります。あれだけの濃い亜硫酸化合物が加えられているのは何のためでしょうか。まぁ、中にはボージョレ以外のいろんな産地のワインがそれも12年前の新酒でも加えられているのかもしれません。まぁちゃんとしたヌーヴォーは中国あたりにでも、もっと高値でいってしまうのでしょう。

 中身はどうだっていいんです。どんな良くないワインでも、今年も本当に良い出来だと褒めそやし、持ちあげて、アホな日本人をその気にしてくれる。田崎氏はじめたくさんのソムリエがいるのですが、とんでもない本来のものとは全く異なる、飲むことによって人の心と身体を傷つけるワインがどんどんと日本に送り込まれてきます。私は拙著『失われし食と日本人の尊厳』で、このようなフランスやイタリアの行為は巧妙な新植民地主義であると述べました。彼らは正に、日本人の心と身体の健康など少しも考えず、自らの利益のためにフランス、イタリアの片棒を担ぎ、彼らに日本人を売り渡しているとしか、私には思えません。皆さんもう日本人の尊厳を傷つけるボージョレ・ヌーヴォーを飲むのはやめましょう。


>>>続く

もう嘘はやめよう

レストランでは、こんな本来の味わいとは全くかけ離れたワインをソムリエはもっともらしい講釈をたれながら勿体をつけてお客に飲ませます。そして、誰もが「そうかワインとはそんなに素晴らしく奥が深いものなのか」と思い込まされて、おいしいと思って飲みます。しかし、少しも旨くない。34杯も飲めば翌日はとんでもない不快感に襲われます。自分でことの真偽を探ろうとしない日本人の国民性にも悲しくなります。

もうこんな嘘はやめよう。異常に変質したワインを目の前にして嘘を語り、少しも旨くもないものを旨いと思い込ませる。裸の王様ごっこはやめましょう。多くのソムリエがフランスやその他の国々にワインの勉強に行かれているでしょう。フランス人やイタリアで飲むワインは今貴方がお客様に薦めているワインと同じ色合いでしたか? 香りでしたか? 味わいでしたか?

いえ、決して同じではなかったはずです。こんなに鈍重で不快極まりない、飲めば心と身体を萎えさせ傷つける味わいでしたか?

「同じだ」あるいは「それほど変わらない」というのであれば、貴方はとんでもない嘘つきか、ソムリエとしての感覚などすこしも持ち合わせていない人です。いや、多くのソムリエが日本にはそんなワインしかないのだからしょうがないじゃないかと言うでしょう。

では、そんなにやすやすと異常な状況を受け入れて恥ずかしくはないのですか。

フランスと同じ心と身体に喜びをもたらす味わいを何か実現できないものかともがいたことはあるのですか。

旨くもない、飲む人の心と身体を蝕む飲み物を、しかも発ガン性すらあるものを、少しの罪悪感も感じずに人に進める仕事であってよいのですか?


>>>続く

それぞれの産地による、共通の香り味わい

恐らく日本でワインを飲むことが殆どの方は、ボルドー、ブルゴーニュ、アルザスなのどの産地のワインの根底には、それぞれ共通の香り味わいがあることには気づいていないと思います。それは、無理もありません。この日本では細菌の侵入による異常醗酵でその共通の香りは殆どの場合壊されているからです。

かつて亜硫酸塩が加えられていなかった頃には、日本に輸入されるワインも稀に状態が良ければブルゴーニュはかすかな馬草の香り、ボルドーにはホコリの香りがありました。そしてアルザスワインにはあくまでの透明感のあるとても新鮮な、いくらかの短めの心と身体が瞬時に優しくリフレッシュさせられる香り、味わいがありました。これらはその産地全体の土に含まれる共通のミネラル群とその地方独自の醸造法によって醸し出されるのでしょう。

しかし今はそれらの特徴は失われ、鈍重不快な味わいになっていました。

強烈な毒性と酸化力を持つ亜硫酸塩が、共通するミネラル群を全く異なるものに化学変化させてしまうい、産地特有の共通する香りは全く感じられません。


>>>続く

1点の曇りも・濁りも香り、味わいにはない

このカーブで試飲したワインには、色合い香り味わいに一点の濁りも曇りもなく正に鮮烈そのものの色あり香り味わいでした。つっかかるものは少しもなく、自然に、懐かしく、新鮮に、舌を通して、身体の全ての感覚と行き渡ります。これがブルゴーニュのワインなのです。

収束した味わいの中に、「ブルゴーニュは馬草の香り」と表現した共通の香りが控えめに静かに顔を見せます。


>>>続く

もう一度、本来のフレンチワインの味を思い出そう

これまでもブルゴーニュのキャピタン・ガニュロのカーヴに行くと、数回ほど瓶詰前の若いワインをたるからとって試飲させてもらいました。

そして2012年秋、欧州出張でキャピタン・ガニュロを訪れ、5年前にお父さんの後を継いだ28歳の息子のピエール・フランソワさんが試飲をさせてくれました。

ブルゴーニュのブドウ畑は地層が割れて縦に盛り上がり、その地質の違いにより様々な味わいを作り出します。

2010年収穫の未だ樽で熟成させている若いワインを78種類を飲ませてくれました。それぞれに特徴ある香りがあります。

私はプロのソムリエではありませんから細かい味わいの分析は出来るはずはありません。でも五感を通して深く心にしみわたるそのワインを素直に受け止め、素直に感覚をその流れにまかせれば良いのです。

そして彼は「作り方はみなほぼ同じであり、地質つまり土に含まれるミネラル分の違いが味わいの違いを作り出す」と教えてくれます。

最後に時間によるワインの変化熟成を理解させるために、もっと前に作られたワインで瓶に詰められ熟成させたものを3本ほど飲ませてくれました。

こんなただの菓子屋がこんなに幸運な経験をしてもいいものかと思ってしまうほどの人生に、そんなに数多くはない正に心動かされる時です。


>>>続く

日本での間違ったワインの扱い方、飲み方

★ワインは殆どの場合デキャンタするものではない

少なくないソムリエがワインは飲む前にデキャンタして空気を入れてある程度酸化させたほうが旨くなると思っています。

しかし、このような考え方はワインの本当の状態を知らないところから来ます。

既に述べたようにワインが腐っている場合はデキャンタすれば酸素が混ざりこみ不快な腐敗香や味わいはほんの幾らか和らぎます。ただそれだけです。決しておいしいい味わいにはなりません。

大して毒と変わらない亜硫酸塩が入っている場合は、デキャンタすれば少しは亜硫酸塩は飛びます。ほんの少しです。デキャンタしても人間が飲むべきものではないワインには変わりありません。

 

★繊細な味わいのワインは愛をもって、グラスを伝わらせて静かに注ごう

良い状態のワインは繊細な味わいを楽しむために高いところからジョボジョボとは注ぎません。キャピタンさんではワインをグラスを持たずに軽く泡立てながら注ぎます。これは眠っている香り味わいをはっきりと外に出す為でしょう。そして、すぐに飲みます。

彼らは、毎日旨いワインを飲んでいます。でも私たちは旨いワインを飲む機会は限られています。

私は、良い状態のワインを飲む時はそのワインの全てを感じたいと思って飲みます。

キャピタンさんのワインはとても繊細で34年経てば早く熟成してきます。

私は飲み始める時に栓を抜きます。そして必ずグラスを斜めに持って、グラスに伝わらせて少量を優しく注ぎ込みます。そして2025分間までの変化を楽しみます。本当に早くそして劇的に香りや味わいが変化していき2025分頃ピークを迎えます。

このような繊細な味わいのワインはグラスに注いで瓶の外に出すと味わいは34分で急速に失われていきます。瓶の中では良い状態に変化していきます。ですから23分で飲めるほどに少しずつ注いでいきます。全部飲み干してから次を注ぎます。決して継ぎ足しはしません。

ボルドーなどの味わいが濃く力のあるワインは変化していくのにより長い時間がかかります。そのワインの熟成の状態によって異なりますが同じものを何本か飲めばわかると思いますが1本では私には分かりません。

とりあえず採り入れの年を見て、12時間栓を抜いておきます。勿論味わいの濃く、力のあるボルドーワインでも、ジョボジョボ注ぎはやめて少しずつ注ぎ全部飲んでから次を注ぎます。

パリで有名なレクリューズというボルドーのワイン専門の、様々のボルドーワインが一杯ずつでも飲めるバーのようなところがあります。私も何度か行きましたが、そこでもらったワインのリストにもグラスを伝わらせてできるだけ丁寧に注ぎ、香り味わいを壊さないようにとイラストを入れて説明しています。

ジョボジョボと衝撃と共に酸素をワインに注ぎ込めば、隠れた味わいは出ますが全体の味わいのバランス繊細さはかなり壊れます。レストランではなかなかそうはいかないかもしれませんが、早めに栓を抜いて衝撃をワインに伝えずに瓶の表面から酸素をゆっくり混ぜて飲むのが一番美味しい飲み方であると思います。ぜひレストランでも前もって栓の抜いておくためのやり方は考えればあるはずです。


>>>続く

亜硫酸化合物の加えられたワインの味


亜硫酸化合物の加えられたワインの味わいは総じて次のようになります。

口に入れる、まず舌を押し返すような、舌が瞬時に軽く麻痺するような感覚を感じます。胃カメラを入れる直前に舌の上に注射器でいれる、舌と喉を麻痺させる為のあのドロッとした液体の感覚です。そして、極めて不自然な渋みの重なった鈍重でザラザラの酸味です。香りや味わいの機微、嬉しさ楽しさなど少しも感じられません。気味の悪い液体です。そして、34杯も飲めば酔いが回ったという感じではありませんが、何か頭の芯がカッカと熱を持ってくるような不快感に包まれます。そして翌日は頭の神経が死んでいる様な不快感が残ります。

現在、私はちゃんとしたワインが飲めるので、亜硫酸化合物入りのワインはもう飲めません。外でどうしてもワインが飲みたくなる時もありますが、それでも決して飲みません。どうしようもなくまずく、人間の飲むべきものではないし、怖いからです。


>>>続く

ワインによる二日酔い

 少なくない人がワインを何杯か飲むと次の日かなりの不快感つまり頭が痛かったり、二日酔いになると感じています。しかしフランスでは私は一晩に4本のワインを夜12時頃までに飲んだことがあります。でも翌日ちゃんと7時に気分爽快に起き、1時間以上の早歩きが出来ました。また、これまでかなり飲んでもハッキリと二日酔いと感じるほどの不快感に陥ったことはほぼ記憶にありません。またフランスの食べ物は高く豊かな栄養素を含んでいるためにアルコールからのダメージが受けにくいこともあるように思われます。

 二日酔いの原因は二つあります。

 1つは鈍重なレンガ色と醤油の濁ったような味わいにワインが腐った時です。こんなワインを飲むと本当に全身が吐き気に包まれるような本当につらい、頭の芯が痛む不快感に襲われます。

 2つ目は亜硫酸化合物によるものです。

現在多くの人がワインを飲んで感じている翌日の不快感は、この亜硫酸化合物によるものです。アルコールによる二日酔いとは不快感がかなり異なります。私の経験から言うと手術時の全身麻酔が覚めた時のようで、意識の中にじっと見つめているもう一人の自分がいるようで身体にはだらしなく力が入らず動かない、意識がマヒして身体が動こうとしない、どうしようもない不快感です。


>>>続く

しかし瓶詰めの時に早々と亜硫酸化合物が加えられるようになった

 ★多量に加えられた亜硫酸化合物はほぼすべての微生物を殺し熟成を止めてしまう

何年くらい後かははっきり分かりませんが、ワインの味わいが更に鈍重になり栓を抜いて1週間おいても飲めるような状態には変化しなくなりました。

おや、おかしいなと思っていました。

瓶詰めしていたワインの在庫がやがてなくなり、樽で発酵させて瓶詰めをする直前にまとめて大量のワインに毒性の強い亜硫酸化合物を加えたのだと考えました。

この時点で加えると、熟成によってそれぞれの本来のワインの特徴が生まれてくる前に強い毒性によって微生物はほぼ完全に死滅し、発酵熟成はほぼ完全に停止してしまうのです。以前のようにドメンヌによってはっきりと異なる個性のない、どれもこれも同じ似かよった味わいになります。

熟成がストップしたためにブドウの紫色がどす黒く残った、著しく濁った色となり、味わいも同様です。瓶詰めの前に亜硫酸化合物を加えてしまえば、何年休ませようがワインの味わいは良い方向に熟成はしていきません。ほぼ瓶詰め時の状態のままです。

チリワインのようにとても濃密なものは、未熟なワインの紫色とどす黒さの混ざったいかにも不自然な深みのない色合いになります。不自然な強い渋みをもった鈍重の極みの味わいになります。

私のフランス料理教室ではオックステールや赤ワインに、シチューにはチリ産のモンテスを使っていました。勿論、亜硫酸化合物は加えられていますが、割合長い時間煮込むので亜硫酸化合物は抜けて力のある深い味わいに仕上がりました。しかしいつの頃からか、ワインの色と味わいはにごり、加熱しても不快な味わいは消えなくなってしまいました。この変化は亜硫酸化合物が加えられる時期の変化を端的に示していると思います。

成分がより薄いブルゴーニュのワインは、強い酸化作用によって漂白され薄い若い紫となります。味はやはり渋みを持った鈍重極まりない酸味です。出来るだけ添加量を抑えようという業者もありますが、これが抑えられるほど今度はワインの腐敗が進み、醤油の薄い色が出てきて味わいも濁ってきます。

また亜硫酸塩が大量に加えられたワインは、全ての成分変化が停止しているので抜栓後1週間~10日間はその不快極まりない味が変化することはありません。

 でも私たち日本人はワインの瓶のラベルと年を見てワインを評価します。愚かさの極みです。しかしソムリエも含め殆どの方がこの大きな変化に気づかずワインはずっと以前からこんな具合だったと思っているように思えます。


>>>続く

亜硫酸塩が加え始められた頃は未だワインの味わいは残っていた

亜硫酸塩が加えられはじめた頃は、これまで述べたように亜硫酸塩を加えないですでに瓶詰めされ熟成されたものが大量にあったでしょうから、出荷時にコルクに注射針を差し込んで亜硫酸塩を添加したようです。樽で発酵させ、瓶に詰め、更にある期間熟成させたものに添加していた訳です。つまり、ある程度熟成が進み、味わいの深さや個性ははっきりと出来ていました。

ですから亜硫酸塩が加え始められた当初は、亜硫酸塩が加えられたワインは抜栓後10日間たっても味わいは変わりませんでした。そして1週間も放っておくと亜硫酸塩が抜けてかえって飲み易くなりました。私も、当時は何日かおきに栓を抜いて1週間ほど置いてから飲んでいました。


>>>続く

亜硫酸化合物の強い毒性と変異原性

既に述べたように、フランス、イタリアで流通するワインは主に二酸化硫黄(SO2)を添加したワインです。そして二酸化硫黄からは微量ながら亜硫酸塩が検出されます。

亜硫酸塩は防腐剤ではなく抗酸化剤であると言われます。要するに防腐剤というほどは毒性が強いものではないと言いたいのでしょう。しかし防腐剤であることは間違いないのです。ある種の腐敗菌は殺すが望ましい発酵のための微生物(酵母菌)は殺さない。しかし、日本などアジアの高温多湿な地域では二酸化硫黄では殺しきれない腐敗菌がいてワインを腐らせる。この腐敗菌を殺すにはより毒性の強い薬を加えるということなのです。

そしてこれには亜硫酸化合物が使われます。そのうちの一つである、現在最も主流に使われているのはメタ重亜硫酸カリウム(別名:ピロ亜硫酸カリウム)です(本文中では以後、亜硫酸化合物として表記します)。

化学合成された亜硫酸化合物は、硫黄の薫蒸の場合に出来る二酸化硫黄とは異なり、ワインから抜けることもなく、ワイン中に大量に残留し、ワインの温度が高くなっても酵母は活性化せず好ましくない発酵は抑えられます。そしてワインの香り、味わいを損ねてしまい、大量に残留した亜硫酸化合物が頭痛、胃痛などの体調不良、不快感の原因となります。

巧妙に消費者の目をごまかしていると言わざるを得ないのは、昔ながらの製法で使われる二酸化硫黄からごく微量に検出される亜硫酸塩も、防腐剤として後から添加される化学合成の亜硫酸化合物も、成分表示としては等しく「亜硫酸塩」としか表記出来ないことです。そしてその含有量によって表記内容が変わるわけではないことです。

また、日本での亜硫酸塩の使用許容量の基準値(厚生労働省基準)はEUよりも甘く、総亜硫酸塩量は赤白ワインとも350mg1ℓ中)。これに対してEUの基準は赤ワイン160mg、白ワイン210mg。日本は倍ほどが許されていることになります。日本向けのワインはEU向けではないので日本の基準で、日本の輸入業者の求めに応じてたっぷりと添加するのが常識となっています。

ですから我々が輸入しているキャピタン・ガニュロ氏のワインのように、極めて亜硫酸塩の数値の低い(赤ワインで33mg)ワインも、規制値ギリギリの350mg入っているワインも、ラベルでは見分けることは出来ません。

亜硫酸化合物の毒性は4段階に分けられる強度の中で2番目に毒性の強いものです。そして、先にも述べましたが驚くことに変異原性がある。つまり発癌性を持っている可能性が高いのです。

3杯飲めば翌日はかなりの不快感が残ります。かなり多くの量が加えられています。3杯ほどで不快になるのはワインくらいしかありません。

半年ほど前、田舎の友達から38歳の娘が乳癌になったと聞きました。赤ワインとケンタッキーフライドチキンが大好きでかなりの量を飲んでいたといいます。勿論、様々な要因が重なり合って発癌すると言われていますから、ワインだけが原因とは言えなくても栄養素の極めて乏しいフライドチキンと強い毒性を持つ防腐剤入りの赤ワインを多量に摂れば発癌の大きな原因となることは明らかです。

 また、これはまた聞きですが、毎夜遅くまで仕事をし、頻繁にワインバーなどで多量のワインと栄養の乏しい食べ物で夕食を済ますキャリアウーマンなどには、わずか30代後半、40代で発ガンする人が少なくないということです。これが本当であれば至極妥当な、論理的なことです。


>>>続く

あまりにも唐突で大きな驚きを感じた セブンイレブンのスクリューキャップへの変換

でも私はやはりワインが好きで、ちょっと飲むのがあくとどうしようもなく欲しくなり、とりあえず確率の高い、その店の新入荷のものを1本買い、良ければそれをしばらく買い続ける。でも長くても殆ど1か月以内でかなり違ったものに変質してしまいます。

仕方なく次のものを探します。

セブンイレブンのワインもたまに何とか飲めるのがありました。

どれ位後なのか覚えていませんが、セブンイレブンのワインはコルクではなくブリキ栓に変わっていました。ビックリしました。そしてビン裏の表記にはいつの間にか添加物が二酸化硫黄から亜鉛酸塩に変わっていました。

セブンイレブンのワインをプロデュースする田崎真也氏は何かの説明書の中で「幾つかの問題をクリアしてスクリューキャップに変えることができた」なーんて言っていました。勿論、コルクでもワインは腐るわけですが、スクリューキャップであればより容易に雑菌は侵入します。より早く腐ります。これは、どのようにクリアされたのだろうかと思いました。

つまり、それまでの二酸化硫黄ではなく人間の身体にとっても極めて毒性の強い、しかも変異原性が確認され、発ガン性の可能性の高い亜硫酸化合物(化学合成のメタ重亜硫酸カリウムなど)を田崎氏のオーソリティの庇護の下、かなり多量に加えることによってセブンイレブンはスクリューキャップに変えたのです。

私の感覚としては、このセブンイレブンのスクリューキャップへの変換を境にワインへの亜硫酸化合物の添加は一挙に広まっていったように思えます。


>>>続く

私の意見を外に向かって述べ始める

こんな状態は今でも続いています。

まあ、言ったって無駄だろうけどと思いながら、HPや何やかやの雑誌などで日本では腐ったワインを喜んで飲んでいると言い始めました。その影響があったか分かりませんが状況は確かに動きました。それも最悪の方向に。

通常フランスでは抗酸化剤として硫黄が用いられます。

木樽を殺菌するためにワインを詰める前に硫黄の煙で樽の内部を薫蒸します。そしてワインを詰めます。樽の内部に付着していた二酸化硫黄(SO2)がワインの中に溶け込み、殺菌と抗酸化効果を発揮します。あるいは瓶詰の際にも二酸化硫黄を吹き込みます。

この二酸化硫黄の薫蒸によってワインの腐敗を止めることが可能になり、ワインの工業化が進んだと言われます。しかし二酸化硫黄は低温度で腐敗菌の少ないと思われる大陸性気候のヨーロッパでは有効であっても高温多湿でより多様な腐敗菌が生息するアジアではその効果は極めて弱かったようです。

既に詳しく述べたように二酸化硫黄のみが加えられたワインは、私のこれまでの経験と考えでは、日本ではどこに保管しても腐敗による変質が進みます。これは隣国の韓国でも同じです。何年か前に行った時に注意して飲みましたが全く日本における味わいと全く同じでした。しかし以前はこの腐った状態を望ましく熟成したものとして飲み、ワインアカデミーでもそのように教えていたわけです。

しかし、やっとその異常さが分かり、今度は一気にあろうことかかなり毒性の強い亜硫酸塩の添加へと突き進んで行ってしまいました。


>>>続く

この頃から私のワインの選び方を変えた

酒屋かワイン専門店に行って、どんなワインを買おうが殆どレンガ醤油色ですから、高いワインを買ったって何にもなりません。高いお金を出して、気持ちの悪いものを飲んで気持ち悪いことこの上ない次の朝を迎えるだけですから。高くておいしくないワインを飲んだ後に残るのは「私は高いワインを飲んだ。しかも私はそのワインにかなりを知識をもっている、なかなか大したもんだ」という虚ろな自己満足だけです。

腐った程度の軽めの確率が最も高いのは、1000円~1200円のワイン。要するに日本に着いてから出来るだけ時間の経っていないほうが腐敗の程度が低いものにめぐり逢う確率が高いのです。そのあたりの価格のワインしか買わなくなりました。セブンイレブンなどの1000円位のワインは、3本に1本の割合で本当に何とか飲めるものがありました。

高い銘柄ワインは回転が悪いので、ひどい程度まで腐っているものが殆どです。そして味の分からない日本人でも気づくくらいに腐り始めるとデパートなどであわてて売りに出す。そしてワインアカデミーの先生までもがそれを喜んで買い、喜んで飲むわけです。


>>>続く

大手輸入業者のあまりにも無責任な大量輸入と大量販売

お菓子にも白ワインはそれなりに使います。

白ワインのムースにはドイツの甘口のモーゼルを使っていました。何年か前でしょうか、どうもお菓子の味がおかしい。飲んでみると味わいが極めて薄い。要するに完全に気が抜けちゃっているんです。さっそく抗議の電話をしました。すぐに係の人がきて調べてみますということで間の抜けたワインを持っていき、代わりに2本のマドンナを置いて行きました。そのワインを飲んでみました。1本は以前の様に味わいがしっかりしていました。別の1本はそれよりも味わいが薄くなっているが未だにそれなりに味はあります。私が買っていたワインとは全く違う。

しばらくして同じ人が鑑定書か分析証明書みたいなものを持って来ました。

それにはぬけぬけと「3人で試飲しましたが全く異常はありませんでした」と記してありました。こいつらはとんでもない嘘つきですよ。

「よくこんなこと臆面もなく言えるもんだね。まあいいよ、今回は引っ込むけど、いつかこの事はしかるべきところで明らかにするからね」

まぁ、それはとりあえずは今回になったわけですが、そして「貴方が持って行ったワインと置いていったワインの輸入年月日は必ず教えてよ」と言いました。

先方は明らかに約束はしたくない様子でしたが私は「必ずね」と念を押しました。

しばらくして、気の抜けたワインは3年前。一番ましだったのは1年前、少し弱かったのは2年前に日本に着いたのでした。それにしても少しもワインの味なんか分かんねえサラリーマン、アンポンタンソムリエか技術者か知らないが、見事になめられたもんだよねえ。これはサントリーという会社です。

まあ、サントリーなんかは1度に極めて大量に輸入するんでしょうから、入れては出し、入れては出しで港での自社のワインの状態も知らないでしょうし、又興味もないでしょう。(この事の前後関係は定かではありませんが内容は全くの事実です)

本当に消費者をバカにしているんですよ。でも消費者も自分で判断しようとしないから、益々彼らは図に乗り放題ということになります。こういう大メーカーも日本のワインを地におとしめているのです。


>>>続く

とにかく良い状態のワインを探すのは至難の技

私がフランスで菓子の勉強をした、パリの高名なパティスリー・ミエのシェフ、ドゥニ・リュッフェルは、27年前から毎年日本で料理と技術講習会を行っています。彼はミッテラン社会主義政権のばらまき政治で変質、崩壊してしまった手仕事の領域の、正統な伝統の中で育った最後の巨人パティスィエ・キュイズィニエです。

彼はもうフランスでも作り手のいなくなってしまった本来のフランス菓子・料理を作り続けます。彼の料理お菓子は食べ手の身体と心の幸せや喜びの為の本来の真実の料理です。彼はミシュランを喜ばすようなアホなど事をしようとは少しも考えない。彼は料理作りの中でフュメ・ドゥ・ポワソンや魚のソースには辛口のサンセールを使います。赤ワインは料理によってブルゴーニュ、ボルドーを使います。また時にはアルザスの煮込み料理の仕上げにはアルザスの白ワイン、リスリングを使います。

彼は、実際の講習会の5日前に日本に着きすぐに料理・菓子の試作を始めます。私は、彼の考え方、料理の味わいを知っています。フランスで食べる彼の料理は一皿でも期待を裏切ったことはありませんでした。日本での試作の味が芳しくない場合は、必ず日本の素材に問題があります。少しでもまともな食材を捜すために、とんでもなく意味のない労力と無駄な出費が毎年ずーっと続く訳です。

それはワインでも同じで、毎年少しでも良い状態のワイン捜しをしなければなりません。ドゥニさんが来てから始めなければ無駄なんです。1ヵ月以上前に早めに捜しても、同じワインが半月後には大きく変質してしまうのです。とにかく良い状態のワインは殆ど見つからないのです。

ドゥニさんの料理を正しく再現する為に30004000円くらいのワインを捜します。あっちこっちから赤白78本取り寄せて、良い状態には程遠いが目をつぶって使おうと思うのが1本やっと見つかる。そんな具合です。何人かのワインに詳しい方の紹介でしっかりとした輸入業者とやらに「状態は良いですか」と念を押し、自信満々で持ってこられたものです。何とか使えるほどましだったものは1本もありませんでした。彼らは自社で入れているワインの状態も分かっていないのです。

まあ、日本のソムリエもキュイズィニエも日本でのワインの状態なんか分かりませんから、レストランで本当に旨いソースの料理には殆ど巡り会えない。どんなにしても使えそうなのは見つかるわけがないので、ある年からドゥニさんにフランスから手で持ってきてもらうようになりました。現在は1ヵ月前に航空便で前もって送ってもらっています。腐っているものや亜硫酸塩が加えられたものよりは、ずっと良い状態ですが、本来の味わいとはかなり違います。このことについては後述します。

殆どの人がそれぞれのワインの本来の味を知らないか忘れているのです。例えば良い状態のリスリングは短い新鮮な酸味が特徴です。でも日本のレストランでは、変質して間の抜けた甘口になってしまったリスリングを、疑うこともなく甘口の白ワインとメニューに書いて出しています。

>>>続く

ワインアカデミーでも腐ったワインを望ましい熟成として教えている

それにしてもずっと以前から現在まで、巷のワインに関する常識と実践は偽りばかりでした。これまでに述べた確信を持ってワインに関する記事などを改めて見直すと、目を覆いたくなることばかりです。

実際に通っていた人から直接聞いた話ですが、ワインに関する正しい知識を教えねばならない、ワインのアカデミーでも、雑菌の侵入による異常醗酵を、望ましい状態への熟成として教えていたといいますから、開いた口が塞がりませんでした。

レンガ色と醤油を混ぜ合わせた様な色合いになり、鼻をつく醤油のような鈍重な不自然な匂いが出てきます。本来のものとは全く違った味わいになりきったワインを喜んで飲んでいるのですから、ここまで来ればその無知さ加減は異常としか言いようがありません。

こんな腐ったワインを23杯飲めば翌朝は身体の感覚がマヒしてしまうような頭痛と身体中がきつい無力感に埋まります。

また、以前ワインアカデミーの先生をしている方の自宅でワインの試飲会がありました。

何でも、銀座のデパートでワインの売り出しがあったものを買ってきたとのことでした。

「やっぱり違うわねー」「さすがねー」などとワインをほめそやしながら、45人の方が試飲されています。私にはどうしても腐っているとしか思えません。とにかく気持ち悪くて飲めないのです。でも彼らは飲んでいます。その光景が本当におかしくてアホくさくて。しばらく我慢していましたが、とうとう言ってしまいました。

「これ、腐ってるんじゃないんですか?」

 皆さん本当にギョッとされてました。

そして、口々に「そうね。少しおかしいかしら(ひそひそ声)」

私は早々に退散したことを覚えています。

インターネットを見てもレンガ色になったワインをたたえるものばかりです。ワインの瓶の中身の状態なんてどうでもいい、味わいなんてどうでもいいんです。

ワインのエチケット(ラベル)だけが全てなんです。そのラベルを前に、それまでため込んだ知識、能書きを競いながらひけらかし合う、それがおおかたの日本人のワインの飲み方ですよ。こんな光景は何度となく見ましたし、こんなワイン通と言われている人までもがと驚いたことも何度もありました。

後に述べますがでもこの状態は今も同じです。


>>>続く

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