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2013年2月

第3章 新たな輸入方法の実験

 フランスの空気を詰めて輸入する方法を思いつく

 長期間の試行錯誤の結果、微生物や日本の空気を透過させない素材によって袋を作り、この中にワインの瓶を入れフランスで封入する。最も良い方法としては、カーブ内でワインの瓶をこの袋に入れてシーラーをかけてもらうこと。こうしてカーブ内の空気が封入されれば、袋の中の微生物などの条件はカーブ内と似通ったになり、そのワインにとってより望ましい条件となる。これによって菌の侵入を防ぐと同時にワインの更なる熟成のための条件もよくなる。

 この考えによって酸素無透過の袋を作り、キャピタンに協力を要請した。

 キャピタンは快諾してくれました。袋のシーラーはカーブ内、外、2通りでやってくれるとの返事あり。早速こちらから作成した袋を送り、今回は試験的にキャピタンでは最も値の低いラドワの赤・白と、オートゥ・コートゥ・ドゥ・ニュイの赤・白計100本を発注しました。

 20125月中旬、このワインは到着し、通常の室温12℃ほどの倉庫、新ワインセラー、普通のワインセラーに分けて収納された。

 そして他の場所よりもすぐにワインが腐り始める印象のある代官山パティスリーの工場にある10℃のチャンバー冷蔵庫に置きました。この中は野菜、卵、その他様々の物が入れられ、様々の微生物がいると思われます。最も微生物の侵入が危惧されるところです。もしここでの保管状態が良ければ、空気の遮断はほぼ完全に続き、他の保管場所もまず大丈夫と考えられます。また新ワインセラーには、ワインセラーと封入されてものの違いを見るために、袋から出して収納しました。

 

 袋詰めワインの第1回目の試飲

 入庫直後525日に初めての第1回目の試飲をしました。ラドワの赤・白。着後10日ではあるが、まず心配だったのは、袋が完全にシールされているか。シールが不十分で船旅の中で微生物が侵入した様子がないかでした。

 しかしとりあえず日本に着いたばかりとはいえ、全くそのようなことは試飲においては感じられませんでした。

 一番驚いたのは、これまで全ての回の日本到着時に感じられた輸送によるワインの成分が混濁として起こる味わいの鈍重さは全く感じられないことでした。これは全く予想していなかった、嬉しい新たな状態でした。

 確かに甘味と酸味はバラけていて、甘味に軽いザラザラ感がある。しかし全体としては透明感がある。ワインの日本到着一安心であると同時に良い方向への変化への期待感が膨らむものであった。とにかくこれまでの直後ではよく全く異なる味わいであった。

 着後、25日後に一番心配な工場の代官山の10℃室のラドワの白を試飲する。

 全く予想に反した極めてよい「心から旨い」と言える状態であった。

 既に酸味と甘みのバラけはなくなり、甘味も滑らかであった。何よりも以前に輸入したワインでは得られなかった、フランスで飲むワインと同じく酸味が全ての味わいをまとめていた。これは私としては予想していなかったとても嬉しい驚きであった。

 

 

キャピタン・ガニェロのワインの特徴

 味わいは優しく、かつ繊細で女性的なたおやかな、長い余韻をもつ味わいである。

 抜栓後すぐに変化し始め、香り、色、味わいとともに20分頃にピークを迎え、25分ほどで全体の味わいの下向きを感じ始めるのがこれまでのワインであった。今回はこれまでと明らかに違う。

 ・抜栓直後、酸味が全てを収束し、甘みも外に出ず、渋みは全く感じられない。

 ・1520分後には全体の味わいに丸み厚みが出る。色は全くきれいな透明感のあるブルゴーニュの赤色である。

 

 ◎これまでと違うのは、11つの芳香がはっきりと11つの繊細な芯のある顔を出し、味わいにコントラストと華があることである。これまでもとても旨く感じていたが、透明感の欠ける、全てを混濁と混ぜた香り味わいであった。

 

 △30分頃まで酸味が味わいを収束していた。

 これは全く初めてのことである。

 これまでは殆どの場合1520分で甘味が出てきた。

 

未だ休ませる時間が不十分で、整った味わいではなかったが、本当に久々の心から旨い、飲むほどに幸せな気持ちが増す旨さだった。


>>>続く

第2章 ワインセラー作りに取り組む 第4話 念のために新たな実験をする

 念のために新たな実験をする

 ワインをブルゴーニュから温度管理をした小コンテナで空輸しました。この便はペットなどの動物を運ぶための室温などほぼ客室と同じ条件に設定されています。通常の貨物便では上空では貨物のある区画は加圧加湿されておらずマイナス40℃ほどに長時間さらされることになり、ワインは劣化して色、香り、味わいなどがある程度失われる。味わいの全体的なボディーがかなり細くなる傾向があります。

 そして日本着後、通関を可能な限り早く、6日ほどで新ワインセラーに収納した。後、6ヵ月休ませた後試飲した。

 この試飲の結果は全く素晴らしかった。

 新セラーに6年間保存したものより味わいに透明感と様々の要素のコントラストがあり、華やかで本当においしいものであった。試飲に参加した全員がそのおいしさに驚き、幸せを味わった。又、6人で10本ほど綺麗に飲んでしまったが誰一人として翌日二日酔いを自覚したものはいませんでした。

 この加圧した飛行機での輸送は、輸送機関も短く、揺られることもなく、何より菌の侵入の可能性と繁殖をより小さく出来たし、またこれによって味わいに大きな差が出ることが確認された。

 

 しかし多量のワイン全てを新ワインセラーにすぐに収めることは全く不可能である

 しかし実際問題として大量のワインを日本着後1週間以内に個人が新セラーに収納することは不可能である。最大500本しか収納できないワインセラーでは、大量の保管には全く不向きである。

 フランスの蔵元と新ワインセラーを結ぶ、微生物を侵入させない別な新たな装置が必要と考える。


>>>続く

第2章 ワインセラー作りに取り組む 第4話:新ワインセラーの経過を見ていく

以後、新ワインセラーがどのくらいの期間、

ワインの保存に有効なのかを数年かけて見ていくことに

 

 1年後に試飲

 全体的には輸送による疲れは完全にとれてまとまりと深い味わいが出てきました。

 しかし1ヵ月ほど遅らせて新ワインセラーに収納したものはやはり味わいが鈍重になっていました。1ヵ月早く収納したものとの間には明らかな違いがあった。

 

 3年後に試飲

 早めに入れたものはそのまま良好。又遅く入れたものとの差が行く分小さくなったような気がした。

 

 6年後に試飲

 この6年間にワインは瓶内でフランスのカーブとは異なる志向の熟成を続けたようである。味わいは3年前より確実にバランスよく熟成してきた。鈍重さが小さなものになり、香り、味わいに深さが出てきた。

 何よりも驚いたのは1ヵ月遅れて新セラーに入れたものと早いものとの差は感じられなかったということである。

 しかしやはり酸味が甘味を収束しきれずに、甘味が外に出る。20分頃になると甘味はさらに強くなっている。これは間違いなく日本に着いてから瓶内に侵入した微生物が影響した変化です。

 ここで得た確信は、数年は新ワインセラーによってワインは腐敗することもなく、十分においしいと思える状態で保存することが出来るということである。

 しかしどうしても微生物によって収束出来ない甘味が出る。これを防ぐにはやはり日本に着いてから出来るなら数日で新セラーに搬入することが必要である。

 日本に着いてから時間が経てばたつほど、ワインへの微生物の侵入と味わいの劣化は確実にそして著しくなる。

 結論としては出来れば1週間以内に新セラーに搬入しなければならない。

 と、当時は考えていましたが、実はこれでも未だ不十分であったことが今分かってきました。

 念のために新たな実験をする

 ワインをブルゴーニュから温度管理をした小コンテナで空輸しました。この便はペットなどの動物を運ぶための室温などほぼ客室と同じ条件に設定されています。通常の貨物便では上空では貨物のある区画は加圧加湿されておらずマイナス40℃ほどに長時間さらされることになり、ワインは劣化して色、香り、味わいなどがある程度失われる。味わいの全体的なボディーがかなり細くなる傾向があります。

 そして日本着後、通関を可能な限り早く、6日ほどで新ワインセラーに収納した。後、6ヵ月休ませた後試飲した。

 この試飲の結果は全く素晴らしかった。

 新セラーに6年間保存したものより味わいに透明感と様々の要素のコントラストがあり、華やかで本当においしいものであった。試飲に参加した全員がそのおいしさに驚き、幸せを味わった。又、6人で10本ほど綺麗に飲んでしまったが誰一人として翌日二日酔いを自覚したものはいませんでした。

 この加圧した飛行機での輸送は、輸送機関も短く、揺られることもなく、何より菌の侵入の可能性と繁殖をより小さく出来たし、またこれによって味わいに大きな差が出ることが確認された。

 

 しかし多量のワイン全てを新ワインセラーにすぐに収めることは全く不可能である

 しかし実際問題として大量のワインを日本着後1週間以内に個人が新セラーに収納することは不可能である。最大500本しか収納できないワインセラーでは、大量の保管には全く不向きである。

 フランスの蔵元と新ワインセラーを結ぶ、微生物を侵入させない別な新たな装置が必要と考える。


>>>続く

第2章 ワインセラー作りに取り組む 第3話 大きな誤算

 大きな誤算。ワインの到着にセラーが間に合わず

 この時、大きな誤算がありました。ワインを発注してから日本に到着するまでに早くて約2ヵ月かかります。この期間があれば新しいワインセラーはすぐに発注しても到着迄に完成するものと考えていましたが間に合わず、結局日本に着いてから大谷石のセラーに約1ヵ月ほど置き、それから新ワインセラーへの保存となってしまいました。又、新ワインセラーに収納するまでの期間の長短がワインにどのような影響を及ぼすかを見る為に30本ほどはさらに1ヶ月遅らせてつまり日本に到着後2ヶ月に新ワインセラーに収納しました。

 それまでの経験では日本に着いてから1週間以内に無菌状態におかなければ容易に多量の微生物が侵入し異常発酵を起こし、ワインの味わいを変質させるという確信があったのでとても心配でした。

2003612日 入港

17日 保税倉庫入庫

→72日 通関

4日 大谷石に入庫

10日 新セラーへ移動


 新セラーの庫内の状況

 温度13℃に設定

 湿度ワイン入れる前58%、入れると80%に上昇

 

 更に今回は輸入の時期も完全に間違いであった

 ワインの扱いに慣れていなかった、その他の理由が重なり、微生物の活動が活発な暑い6月中に日本に入港したこと。そしてそれから新ワインセラーに収納するまで1ヵ月ほどかかってしまったこと。この間に腐敗性の菌はかなり侵入したと思われます。

 その年の10月日本に着いてから4ヶ月後新ワインセラーに入れてから3ヶ月後に初めての試飲をしました。

 

 ムルソー Les grands charrim

 コルク上部固くしっかりしていた。しかしブッションの1/2までワイン上がっている。

 抜栓後5分ほどはっきりとした味わいは出ていないが、味わいはバラバラではなく、かなり収束感と味わいの太さがある。

 13分後、かなりしまりがなくなる。

 2025分頃 味わいしまり始め、味わいが上を向いてきた

 

 私の経験から言えば、総じてブルゴーニュのワインは20分頃で味わいの勢いがなくなるが、この頃から上を向くということは未だ寝かせ方が不十分と思われる

 

 コルトン Corton

 コルク柔らかく少しだけ沈む。スッと抜けずひっかかる。34cmコルクがワインに浸かる。

 色合いはとても深く、ブルゴーニュの香りはあり、3ヵ月で十分収束感と熟成感も出る。

 しかし甘さが出て外からの影響あり。

 全体評としては、香り、味わい、色合いには深さがある。しかし甘味が出て、きめ細やかな様々の要素のコントラストがない。少し鈍重感はある。

 果たしてこの先どう変化するかは予想つかず、不安でした。

 

 私なりの抜栓時のティル・ブショの感触からの予測

 ・コルクが乾燥して収縮し簡単に力いらず抜ける

→空気の流通が激しく気が抜ける。色、香り、味は薄まる。

 ・コルクが柔らかい、崩れやすい

→乾燥による

  →菌による腐食(当然ワインにも菌の侵入。腐り始める)

 ・コルクが瓶についていて、ひっかかって抜ける、あるいは完全にくっている

  →ワインが一度膨張しコルクと瓶の間に浸みこんだ

  →コルクが収縮する(瓶の外側の温度が低く、乾燥し収縮)

 ・コルクに34cmワインが浸みこんだ跡がある

  →ワインの温度があがり、ワインが膨張し、瓶とコルクとの間にワインが押し上げられて浸みている

  →ワインが腐敗し、ガスが発生し、瓶内の圧力が高まり、ワイン浸みこむ

 

 ワインが良好な状態の手の感触

 ・ティル・ブッションをコルクに差しこむ時も、しっかりしたしめつけるような圧力がある

 ・力を入れて抜く時に、十分に重く、しかしプツンプツンとしたつっかかり感がなく、滑らかな重さを持って抜ける

 このような状態でない場合は、ワインに何か異常が起こりつつあるか、その前兆であり、ワインの状態の予測データにもなります。

 

(フランスでの味わいを復元させるために必要な日本についてからの休ませる期間)

・トラックや船による長い輸送の後、どの位ワインを休ませれば良いかということをキャピタンの先代の社長パトゥリスさんに聞いたことがあります。彼の答は3ヶ月ということでした。彼はそれまでのヨーロッパ以外にはワインを送ったことがなくその範囲の経験からくる考えでした。しかし、アジアの中の国には船だけで1ヶ月近く揺られ続けます。ヨーロッパ圏内よりもワインが揺られる期間はより長くなります。

3ヶ月では十分に味わいは復元しません。私のこれまでの経験では6ヶ月が必要であると考えました。フランスでのワインのカーブ内で作り上げられたあまりにも幅の広い様々の成分の混ざり具合が長期間揺られることによってバラバラに壊されてしまうのです。

そのため、日本に着いた時点では香りも立たず味もなく、ザラザラな舌触りな少しもうまくない間の抜けた味わいに変わってしまっています。同じワインとは思えないほどに本来の味わいとは全く違った味わいに劣化しているのです。

このように成分のバランスが著しく全くバラバラに壊されてしまうのです。様々の成分がまた、以前の様な混ざり具合に戻るのには、3ヶ月では不十分で6ヶ月ほどが必要なのです。また例えば6ヶ月休ませてももともとの味わいとはかなり異なるものになると考えました。フランスのものとは全く同じ味わいには戻らないと考えました。

また実際少し異なったものになります。


>>>続く

第2章 ワインセラー作りに取り組む 第2話 ワインセラーの開発を始める

 一時はワイン輸入を断念することも考えるが、

 今度はワインセラーの開発を始める

 もうワインの輸入は諦めようと思いました。イル・プルーのような小さな会社としては大変なお金を使いましたが、もう不可能かなと思い、暫くはワインのことは考えることは出来ませんでした。

 しかし私は執念深いんです。もう日本で本当においしい熟成したワインは飲めないだなと考えるほど悔しくて悔しくてなりませんでした。

 しかし一連のワイン輸入でコンテナでの輸送中や日本に着いてからコルクと瓶の間から侵入したフランスにはない異種の微生物(私は一応腐敗菌と呼んできましたが)が本来の味わいとは全く異なる別なものに変質させるということです。このことは明らかな事実となりました。この事実をもとに新たな手立てが考えられないかと思いました。

 そうだワインセラーに微生物を殺菌し、きれいな空気を循環させるようにしたらどうかと考えました。

 カーブの中には家付き酵母があり、それが初めから瓶内にあった酵母菌などの共同作業の中で特徴ある味わいを作りだします。しかし新ワインセラーの中では瓶の外は無菌の空気があるだけです。瓶のワインの中からは様々な成分が瓶の外に出ていきますが、外からは何もない空気が入るだけです。

 しかし例え庫内が無菌状態に保ったとしても、カーブと庫内の環境は全く異なります。

 ワインの味わいが長時間の中で薄まったりしないのか、本来と違う異常な発酵になりはしないかと、不安なことばかりでしたが、でもやってみなければ分かりません。よしやろうということになりました。

 早速冷蔵機の専門業者の型に相談しました。考え方としては庫内にワインにはあたらないよう紫外線ランプをつけ殺菌した空気を循環させるのがよいのではないかとなり、試験的にワインセラーを2台作ってもらいました。1台につき50本のワインが収納出来るセラーです。そしてその特許を申請しました。これは、3年後に特許権が認められました。

 ワインセラーが完成してから、早速、こりもせず再びキャピタンから今回は少くの100本のワインをとり、これに収納しようということになりました。

 

>>>続く

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