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2012年11月

序章:あなたが飲んでいるワイン、本当においしいですか?

【日本のワインの夜明けキャンペーン】

とにかく信じられないおいしさ。

フランスと同じ、いやそれ以上の味わいのワインだと、

私が自信を持ってお薦めします。 弓田亨

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 私はこれまで日本の食の領域の様々な嘘・偽りを白日の下に晒してきました。形式のみの、真のフランス的な味わいを少しも持たない、味わいの表情の極めて乏しいフランス菓子、アク抜き・下茹でによって栄養素とおいしさを取り去り砂糖の甘さによって足蹴にされた日本の家庭料理、そして盲目的に雑味とやらを取り除き、無に近づけることによって形式的な味わいを作り上げ稚拙な繊細さを追い求める日本食、日本酒、そしてビール、和菓子。これらはそれを食べる人の心を無感動にして心と身体を傷つけるもの、その他多くの偽りを指弾しました。

 日本で口にするワインも例外ではありません。ここではとりあえず私が確信を持って話すことのできる輸入ワインと限定しておきましょう。日本に輸入されているほとんど全てのワインには亜硫酸塩が加えられています。皆さんはこの亜硫酸塩の実態を知っていますか? ソムリエはじめ多くの人は、この薬品を防腐剤ではなく抗酸化剤であると言おうとします。

 しかしこれは間違いなく強烈な防腐剤なのです。なぜ抗酸化剤と呼ぼうとするのか。それは亜硫酸塩の強い毒性を隠そうとしているのです。以前、10年ほど前にはワインの裏側のシールには二酸化硫黄と記されていました。これは確かに抗酸化剤といってもよいでしょう。もちろん微少な毒性はありますが、酸化によるワインの劣化を防いでくれると同時にある種の微生物を殺すことによってワインの腐敗を防ぎ、ワインの大量生産、長期保存、熟成を可能にしたのです。全く毒性がないわけではないですが、極めて低いものと考えてよいと思います。

 しかし亜硫酸塩はフランス国内で流通するワインにはほとんど使われておらず、現在も二酸化硫黄が普通です。亜硫酸塩は4段階に分けられる毒性の強さの2番目に強い毒性を持っています。また変異原性、つまり発ガン性も持っているのです。ワインだけでなく、様々の食品にこの亜硫酸塩は添加されています。しかし時には23杯飲んだだけで頭痛、著しい不快感を感じるのはワインだけでしょう。かなりの量が加えられているのです。

 私の友人の38歳になる娘さんはワインが大好きで、ファストフードをよく食べ、ワインをよく飲んでいたとのことですが、乳ガンになってしまいました。もちろんガンは様々な要因が重なって発症するので直接の原因かは分かりませんが、この亜硫酸塩入りの多量のワイン、栄養素の破壊されたファストフードはガン発症のかなり主要な原因であったろうと私は確信しています。

 

 そして次にワインの味わいについてです。

 皆さんは亜硫酸塩を加えると、本来のワインとは全く異なる味わいに変化してしまうことを知っていますか? まだ亜硫酸塩が使われ始めた頃は、瓶詰めにして寝かされたものが出荷時に注射針をコルクに指して添加していました。既にある程度ワインは熟成し、その個性的味わいも出ていました。しかし現在、殆どすべてのものは樽から瓶詰時にワインに添加していると思われます。

 亜硫酸塩の毒性は強く、添加された時点でワインの中の様々の酵母菌はかなり死滅します。そしてその強い酸化作用によって様々の成分は酸化され、その形を変えてしまいます。ほぼ正常な熟成はここでストップします。そして搾りたてのブドウの未熟成を示す紫色はずっと残ります。香りは立たず、舌を押し返すような不快な舌触り、ザラザラした渋みと鈍重な酸味の混ざり合った強烈に不快な味わい。皆さんはこれをおいしいワインとソムリエに薦められて喜んで飲んでいるのです。私は決して飲めません。

 それでも出荷の時に添加していた頃は栓を抜いて20℃ほどのところにおくと、1週間で亜硫酸塩が抜け、何とか飲めるようになることもありました。しかし瓶詰時加えたものは、亜硫酸塩で酵母も死滅しているので、1週間おこうが亜硫酸塩が加えられる以前のように味わいは短時間では変わりません。もうどうしようもありません。サンテミリオンだろうが、ブルゴーニュだろうが、どれもこれも、不自然にすっぱい、渋みの強い似通った味ばかりです。

 以前は日本に輸入されるワインはフランスと同じように作られた二酸化硫黄を添加したワインが来ていました。しかし高温多湿の日本の空気中にはフランスの低温度の大陸性気候にはない腐敗菌がコルクと瓶の間から侵入し、早ければ日本について1ヵ月で著しく腐敗、変質してしまいました。飲めない状態に変質してしまうのです。しかし醤油色の混じった、醤油味のするワインを、レンガ色のよい状態に熟成してきたとワインアカデミーやプロのソムリエは教えていたのです。これも信じられません。

 さらに私にはどうしても理解できないことがあります。以前は日本に着いたワインはすぐに腐り始め、本来のものとは似ても似つかぬ醤油色と味わいのワインになってしまいました。そして現在のワインは高濃度の亜硫酸塩が加えられ、フランスその他の国で本来のものとは全く違うワインに作り上げられたものが輸入されているのです。ソムリエの方々はフランスで覚えた本来の良好な状態の味わいとこれらのワインの味わいとの違いに気づいているのでしょうか。あるいはフランスのワインの味はとっくの昔に忘れてフランスで飲んだワインも今日本に輸入されているワインも同じ味わいと思ってしまっているのでしょうか。よくも様々のワインを形容する言葉が出てくると思います。この日本には現実にはありもしない味わいを、頭につめこんだ実体のないひからびた形容詞を無造作につけているだけなのです。どうせ素人には分かりはしないと高をくくっています。

 少なくない方が、ワインはおいしくないから飲みたくないと言われます。この感覚が正しいのです。人間の飲むべきものではないものが日本に届けられ、多くの方はそれを飲んでいます。

 私はフランスで飲むワインと日本で飲むワインの違いをはっきりと早くから認識していました。そして何とか日本でもフランスと同じような旨いワインを飲みたいし、多くの人に飲ませてあげたい。その思いでずっと頑張ってきました。でもこんなことは本当は、ワインの世界の中心にいる田崎氏のような方々が手掛けるべきことなんです。

 8年前に日本に生息する微生物の侵入によるワインの変質を防ぐために無菌の空気を循環させるワインセラーを考案し、6年間、亜硫酸塩の加えられていない二酸化硫黄だけのワインで本当に良い状態で保存することを可能にしました(特許取得)。本当においしい。そして今年、より扱いの簡単な、酸素を通さないフィルムで作った袋に11本ワインをカーヴで入れ、シールをして密閉し、日本に運び、微生物の侵入によるワインの腐敗を防ぐ手段を考案しました(特許出願中)。

 そして今、日本に到着してから180日目(半年)のワインの試飲をしました(注:本来のものに近い味わいに回復するまでは約半年間休ませなければなりません)。とにかく私の想像を超えたおいしさです。全ての味わい、熟成を壊し尽くす亜硫酸塩が加えられておらず、また異常発酵していないので、ブルゴーニュの繊細な香り、味わいがさわやかに、さらに繊細さを増して印象的に五感を刺激します。日本で全く初めて可能になった信じられない味わいです。このワインを飲んだら、私の言っていることの全てが真実であることが即座に理解できます。本当に、本当においしい。目の前のワインに心は引き込まれてしまいます。今までずっと亜硫酸塩が入ったワインを飲み続けて、ワインをそれほどおいしいと思わなかった私の教室スタッフも「とにかく信じられないほどおいしい。ワインの味など分からなかった私でもこの違いははっきりと分かる。今まで飲んでいたワインと全く違った別のワインがあることを知った。そんな思いです」と感想を言っています。亜硫酸塩が加えられておらず、そして腐敗していないワインは、実際に飲んでみなければ絶対に想像できない素晴らしい味わい、おいしさです。

 

 私はプロのソムリエではありませんから、やれ「鼠の死臭」「にわかの香り」「火縄銃の匂い」などとコメントする能力はありません。無限ともいえる成分が豊かにバランスよく熟成したワインの香り、味わいはあまりにも深くたゆたうのです。あの時、そしてあの時の自分が味わいの中から現れるのです。

 ワインから立ち昇る香り、味わい、ビロードのような舌触りに、自分の思いを静かに重ねればよいのです。今回は長年の付き合いのあるフランス、ブルゴーニュのドメンヌ、キャピタン・ガニュロ氏からのものです。優しく柔らかく長い味わいに派心が溶け込みます。

 ブルゴーニュの白ワインの最も美味たるものの一つ、コルトン・シャルルマーニュもあります。小学生の頃、映画で見たヘミングウェイの「老人と海」ようやくカジキマグロとの闘いを終えた老人と彼の舟が全てを包み込む黄金色の夕日に映える海に波と浮かぶ、あの光景と重なるとしか言えません。

 

 

より詳しくは、HP「食の仁王ブログ」(http://shoku-no-nioh.cocolog-nifty.com/)で201311日から始まる連載コラム「日本のワインの夜明け」をご覧ください。

この日本では輸入されたワインの変化については私が誰よりも一番正しく理解しています。何故人間が飲むべきものではないボジョレー・ヌーヴォーその他のワインが日本に輸入されるようになったのか。

私が辿ってきた、これまでの道程とワインへの考え方をさらに詳しく述べていきます。

どうぞご期待ください。

 

 

■ブルゴーニュワインの老舗ドメンヌ、キャピタン・ガニュロ家とは■

私どもでは無駄金をつぎ込んだ過去数年の経験から学んだ独自の輸送と貯蔵方法により、フランスと同じ味わいのワインをお届けいたします。

キャピタン・ガニュロ家は、代々昔ながらの製法を受け継いで自らの畑でぶどうを作り、ワインを醸造している、ブルゴーニュワイン愛好家の間でも味に定評のある、知る人ぞ知るドメンヌです。

 

■今回販売するワイン(価格帯:予価5,000~10,000円台)

ラドワ プルミエ・クリュ ラ・ミコード2008 LADOIX 1er Cru La Micaude 2008

アロース・コルトン プルミエ・クリュ レ・ムトット2008 ALOXE CORTON 1er Cru “Les Moutottes”

コルトン・シャルルマーニュ2010 CORTON CHARLEMAGNE 

他赤・白合わせて約10種類ほどをご用意致します。順次紹介していきます。

ケーキをデコレーションしない理由

お菓子にとって何が一番大事だと思いますか。

勿論それはとびきりのおいしさです。食べる人に心で身体を満たす喜びと幸せを与える為にお菓子はあるんです。

決して見た目を満足する為だけにあるのではありません。私が、初めてフランスにフランス菓子の勉強に行った頃は、お菓子のデコレーションはとてもシンプルでした。表面にチョコレートやココアを一面にかけ、そして真ん中に小さなその店のシール(エティケットゥ・メゾン)が付いているだけでした。しかし、チョコレートの鏡のようなガナッシュや一面に振り掛けられたココアは、寂寥感や、有無を言わせぬフランス菓子の伝統の力などを示し、そして一番大事なお菓子の味わいを深く暗示し、刺激するものでした。しかし今はフランスも日本も奇異をてらった見せかけや素材の組み合わせでお客やマスコミの気を引こうというパティスィエやキュイズィニエばかりです。

肝心のお菓子の味わい、おいしさもうどうでもよくなってしまっています。

フランスも日本も変化し、まずいお菓子ばかりです。そしてそのまずさを隠す為に作り手の自信のなさを隠す為には、プティガトーでも何かをのせてお菓子のまずさを隠そうとする、そんな手合ばかりです。

実は初めの店、そして代官山へ移転してから数年はこれを貫いていましたが、シェフが変わるにつれ、どうしても上に何かをのせようとする傾向は強くなってきました。そして上に何かのることでお菓子は間違いなくまずくなっているのです。

私と、イル・プルー・シュル・ラ・セーヌは、今度イル・プルーで育ち、私の心をよく知っている福田君をシェフに迎えました。これを機にさらにプティガトーのお菓子の表面には味わいを暗示するもの以外はつけないことにしました。

もう一度、私のお菓子作りの中核となる考え方に戻さなくてはいけないと考えました。

そして丸いお菓子を無造作に三角形に切ってショーケースに並べることはせずに以前のように、長方形に全ての形をそろえました。勿論、丸いプティガトーはそのままですよ。

そうするとどうでしょう、本当にお菓子の迫力が、ショーケースのお菓子の綺麗さが    とんでもない力を持ってくるんです。

開店時のショーケースの中、本当に素晴らしいですよ。

そして、ああこれがイル・プルーなんだと思いました。いつの間にか本筋からそれて来てしまっていたことを悔やみ恥かしく感じました。

お菓子はおいしさが全てです。

お菓子の整った飾りにつられてそれを買ってもまずかったら残るのは腹立たしさのみ。他に何の感情も残りません。むしろ見た目と中身の大きすぎるギャップにより頭にきますよ。

おいしかったら多少の仕上げの汚さなんかどうでもいい。少しも責める気にはなりません。それが食べ物なんです。

お菓子の表面に手間をかける余裕があるのなら、それを全てより精度の高い印象的なおいしさの為に注ぎ込め。これが私の開店以来の考えです。

フランスも私が初めて渡仏した頃とは全く別な国になってしまいました。

社会主義政権を通して、仕事をしない人の為のばらまきの国になってしまいました。

私達手仕事の領域は1人のパティスィエがその手で作り続けていくことです。1人の作れる数量は限られています。サイン1つで大きな金が動く仕事ではない。

しかもフランスは週の労働時間は35時間―手作りで物が作れる時間ではありません―

とうの昔にかつての正統な伝統はもう崩壊しています。

おいしさなんてどうでも良い、どうやって手を抜いて形を作り上げるか、そんな手仕事になってしまいました。

奇異をてらったアクロバット的なものを作りマスコミにのり、一発当てよう、そんなパティスィエやキュイジィニエが殆どなのです。

皆さんが有難がているギッドゥ・ミシュランの星も今は完全に昔の正統性を失ってしまいました。星が増えるほど料理がまずくなります。

これは私の揺るぎのない確信です。

 

お菓子は例えば細長く40㎝ほどに作ってそれを幅3cm強に切ります。

プティ・ガトーは切り分けた断面が本当に綺麗なんです。自然の色合いのビスキュイやクレームの色合いの重なり、本当に愛しくなる美しさなんです。これを口に入れる前に是非しっかり見て頂かなければなりません。それでイル・プルーでは透明のセロファンにはさんで、断面が見えるようにしてあるんです。この考えはバースデーケーキにも貫かれています。

今年、イル・プルー・シュル・ラ・セーヌでは、短時間でフレッシュにできるバースデーケーキを揃えましたが、これもやはり、バースデーの嬉しさを一番高めるのはとびっきりのおいしさであり、これを忘れて人形やバラだけをのせるものは作りません。

この新しいバースデーケーキも私が何度も何度も試作を続けて作り上げた味わいです。

勿論、バースデーケーキは印象的な心に残るものでなければいけません。人形やバラなどのデコレーションも大事です。イル・プルー・シュル・ラ・セーヌではとびっきりのおいしさの上にデコレーションを飾りつけます。

 

最後に、プティガトーなどの表面に何もつけないシンプルさは、私達はあらん限りの意識をお菓子の中身、味わいに注ぎ込むという自戒でもあるのです。

 

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