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2009年12月

プロローグ(その3)

 子供が食べることが嫌いなはずはありません。本当においしいものなら、食べないわけがないのです。今までお母さんが与え続けてきた食べ物が、子供達の身体が望んでいない生命の摂理に反した食材や料理だった、それだけのことなのです。細胞が求めている幅の広い栄養素を十分に含んだ、本当のおいしさを持った食べ物、料理は確実に子供
達の食べることへの渇望とエネルギーを揺り動かします。
 後に詳しく述べますが、この本の発刊から3、4ヵ月もした頃から、様々な病気からの改善、快方、完治が、私共の耳に届き出したのです。あちこちの病院に行っても、何をしても少しも効果がなかった病状が、日々のご飯で治ってしまうのですから、誰もが驚きますし、聞いただけでは誰も信じてくれません。
 たとえばずっとアトピー性皮膚炎で苦しんでこられた方々には「そんなもんで治ってたまるか」という変な意地めいたものがあるように感じます。勧めてもなかなか『ごはんとおかずのルネサンス』の料理を食べようとはしてくれません。でも何かのきっかけで食べ始めると、あっという間に驚くほどの効果が現れます。さらにいわゆる難病指定の「潰瘍性大腸炎」や「子宮内膜症」にも信じられない効果をもたらしたのです。
 私達の食に対する考え方と実践においては、すでに大きな真実に基づく実績があるのです。日本人の明日に、真の健康と尊厳をもたらすという確実性があります。あとはこの国の多くの人達が、どれだけこの真実に目をむけてくれるか、それだけのことなのです。

プロローグ(その2)

 食べ物は、音声による言葉よりももっと本質的な人と人を結ぶ言語なのです。私達日本人はこのことをすっかり忘れてしまいました。そして実に多くの「してはならないこと」を食材と料理にし続けてきました。
 このため今の日本では、家族の健康を願い、お母さんが心を込めて作ったせっかくの料理も、子供の心と身体に元気と喜びを与えることはできません。子供の心と身体は、母の愛をより深い生命の摂理に基づいた愛として受け取ることができないのです。これでは子供は健やかな寛容さを持った心に育つことはできません。かつては家族同士や人と人を結びつけるものであった料理が、この日本ではむしろ1人1人の心を疎遠にしているのです。

 本来豊かな栄養素を持った日本の食べ物は、その栄養素をそぎ落とされ、悠久の時間をかけて作られてきた、人間としての精巧な脳や身体の組織を育むことができません。人と人のつながりを、人の心の機微を認知するだけの理知的な精神を作り上げることができません。その結果、家庭内暴力、いじめ、引きこもり、自殺などの自らの人生を否定する道しか選べない若者達が増えているのです。
 彼らは不幸です。これは彼らが選んだ道ではありません。私達大人が、選択の余地のない唯一の道として子供達に押しつけた結果なのです。
 私達はまず、現在の日本の「食」を取り巻く真実の状況を知らねばなりません。そしてその真の姿は、大多数の人が何とはなく考えているものとまったく正反対の状態にあることに、驚かれるでしょう。
 日本の食の現状は、飽食の時代と言われながらこれまでの世界の歴史の中でも類例がないほどに、まさしく危機的状況にあるのです。
 それではこの様な絶対的な危機にある日本の食に未来はあるのでしょうか。
 私共は2003年に『ごはんとおかずのルネサンス』を発刊しました。それ以前なら、私はもう手遅れだと答えていたでしょう。しかし発刊後、『ごはんとおかずのルネサンス』の料理を実践された方々からの知らせと交流は、私達の予想をはるかに超えたものでした。あまりにも凄すぎる反応でした。
 食べることが嫌いな子や、野菜や味噌汁の大嫌いな子が、『ごはんとおかずのルネサンス』の料理を初めて作ったその日から、一生懸命に食べ始めたのです。「奇跡だ」と書いてこられたお母さんもいました。甘いだけの肉じゃがが大嫌いな子が、もりもり食べて「ぼくは肉じゃが好きだったんだ」と言ったとか、お母さん達の嬉しい声が届いてきたのです。

プロローグ(その1)

かつては存在しなかった様々の心と身体の病がこの国を重く覆い尽くしています。
 家庭内暴力、親を殺す、学校などでのいじめ、学力低下、引きこもり、仕事に就く意欲とエネルギーを失った若者達、そして自分より弱い人達を助けようともせず、むしろ彼らをいじめることによって、この日本に生きることの不安とみじめさを忘れようとする卑屈さそのものの考え方、自分のことだけしか考えられないあまりにも稚拙な精神、お金だけを唯一の価値と考える地に堕ちてしまった倫理観。
 糖尿病、高血圧、動脈硬化、心臓病などが高年齢層で一層の広がりをみせ、さらにかつては若年層とは無縁だったこれらの疾病が今、確実に若者の身体を蝕んでいます。
 私達が子供の頃は聞いたこともなかった「花粉症」そして「アトピー性皮膚炎」の患者は1000万人に迫ると言われています。
 このままでは日本の子供達には、今よりさらに不幸な未来しか待ち受けていないように私には思われてなりません。
 私は今まで自分がたどってきた人生のすべての軌跡をかけて、また、2003年の『ごはんとおかずのルネサンス』の発刊からこれまでの間に、この本の料理法を実践された多くの方々との交流の中で明らかになった様々の事実に基づき断言します。
 これらの肉体的、精神的荒廃は、私達が日々摂取する食べ物や料理からの栄養素の致命的なまでの欠落に深く起因しているのです。
 これから詳しく述べていくように私達は戦後の急激な経済拡張主義の下に、異常な食の世界へひとりひた走りに進んできました。これほど「食べることの意味」について、食べ物が私達の身体に及ぼす作用を忘れ軽んじ、その目的を見失ってしまった国民は、他にはないと思います。まさしく私達日本人は人類が今までに経験したことのない「食による人間性の崩壊」へ向かっています。
 しかし私達が生物で、そして人間である以上、食の本来の意味を絶えず問い続けることは、人間としての尊厳を保ち続けるために決して忘れてはならないことなのです。
 私達は精緻な機能を十分に備えた体内の細胞、組織、器官を作り上げるために、そしてそれを動かし続けるために、必要とする豊かな幅の広い栄養素とエネルギー源を食べ物によって取り込みます。つまり生理的な欲求を充足させるために食べます。そして健康を保ちます。同時にそれは「心の成育」「家族との絆」「人と人との結びつき」そして「自然とのつながり」を知り、それをさらに強固にするための、とても人間的な営みでもあるのです。食べ物や料理は人の心をも形作っていくのです。
 動物は目の前にある食物に反射的に食いつきます。しかし意識的に自分の家族などのために、作り手の個性を伴った自分だけの料理を作るのは人間だけなのです。そこに家族の同心性(アイデンティティー)、個人の個性が育まれます。

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次回へ続く。

失われし食と日本人の尊厳

本日より、イル・プルーにて先行発売開始です。
最新刊『失われし食と日本人の尊厳』。

この「食の仁王ブログ」で書きとめていたこと、
ルネサンスごはんを作る中でまとまった考えなどを、
全てここに書き記しています。

これからしばらくの間、
本書から抜粋したエッセイを掲載していく予定です。

ぜひ、皆様にも、この真実の声が届きますように。

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