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ペック社のチョコレートについて(2)

〔イッサンジョーの国立製菓学校での実習〕

各地の講習会でヴァローナの品質の悪さを口にすると、多くのパティスィエが、一瞬ぎょっとした表情をされます。でもその理由を説明し、ペックのチョコレートで作ったお菓子やプティ・ショコラを食べてみてもらえば、多くの方がヴァローナのチョコレートなどは足元にも及ばないそのおいしさに驚かれてしまいます。

でも、この方達も、その時までは断然ヴァローナのチョコレートが秀でていて、ペックのチョコレートこそどうしようもない安物だと考えられていたのです。

異口同音に「前試食した時こんなにおいしいと思わなかった」と感想を述べられます。

今年は久しぶりにフランス菓子教室の生徒さん達と、フランス、イッサンジョーの製菓学校で実習の研修をしました。プルーンのクラフティ、りんごのペイザンヌ・シブースト、マカロン、ブリオッシュ・プラリネ…。フランスの滋味豊かな素材で作ればどれをとっても日本では経験出来ない心と身体に、五感に、押し寄せるおいしさがあります。

いつも感じることではありますが、今年は特にチョコレートを使ったお菓子がおいしくない。ヴァローナのチョコレートです。私や私の教室の生徒さん達は、ずーっとペックのチョコレートを使い、その深くて力強い一つ一つの個性的な味わいがチョコレートのあるべき正しい基準として、今年はさらに感覚の中に記憶されてきたことがヴァローナのチョコレートを使ったお菓子に物足りなさと希薄さを感じた理由だと思います。


これは私だけが感じたことではありません。ほとんどの生徒さんが「おいしくなかった。何か物足りなかった」という感想を言われました。

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