手作りの心を失った日本の昨今のフランス菓子業界

「手作りの心を失った日本の昨今のフランス菓子業界」へ添える文

今、時代の流れはパティスィエの手作りの領域を完全に破壊しようとしています。

パティスィエの仕事は毎日がコンクールであり、“体力と知力の限りを尽くしておいしいお菓子を作り、それをお客様に日々お出しする”、それがパティスィエの全てです。

 

私ははっきり言います。テレビに出るのが仕事の有名シェフと、イル・プルー・シュル・ラ・セーヌのお菓子を食べ比べて下さい。どちらが正義なのかは誰にでもすぐに分かります。






私達手作りの菓子職人にとって、もっとも大事な事は、本当においしいお菓子を日々作り続けて、お客様に心からの満足を感じて頂くこと以外にはありません。

しかし、おいしい食物、お菓子を作り続けることはそんなに簡単なことではありません。

常に技術の進化を志し、美味しさのイメージを高め、高い集中力を常に持ってお菓子を作り続けなければなりません。これには、心を体力の高度な集中力が求められます。

 

 

(パティスィエは、厳しい肉体労働の領域)

フランス菓子のパティスィエというと、何か華やかな、常に明るいスポットライトをあびているような職業とみてパティスィエになる人も多い。

しかし実際はパティスィエは肉体的精神的に過酷な職業なんです。

使う機械も限られているし手作業の必要な部分がとても多い。体・手・足を動かし続けなければならない。本当の手作りとなれば18時間の労働時間では満足なものは何も作れない。

一つのサインで何千万、何億の金が動く、銀行や不動産、あるいは大きなメーカーとは労働の質は全く異なります。

そしてどんな高いお菓子でもせいぜい1個は5600円が妥当な値段であり、どんなに一人の人間が労働時間を10時間かけても作れるお菓子の数は限られている。

ちゃんと手をかけて作れば作るほど作れる数は少なくなり、利益は低くなる。

これが今、短い労働時間・高い家賃を背負っての、特に大都会での困難なお菓子作りです。

 

(自分の生き様としてのお菓子作り)

それでもやり続けるのは、私には今さら他に何も能がないのは勿論ですが、これが自分を表現する唯一の手段であり、生き様としてのお菓子作りを自分の心に恥じぬようにまっとうしたいからです。自分の心が満足できるもの以外はお客に出さない、そんな気持ちでやっています。

 

 

(お菓子屋にとっては毎日が息の抜けないコンクール)

私達お菓子屋にとっては毎日がおいしいお菓子を作り、それを食べてもらい、そしてお客様に評価してもらうコンクールなのです。

そして自分の心に嘘をつかないで、自分の信じる味わいの為にベストを尽くす、ヤセ我慢比べのコンクールでもあるんです。

 

 

(日々のつらい仕事をまっとうしてのみおいしさは可能になる)

でもおいしいお菓子を作るというのは5年や10年ではかないません。

フランスに勉強に行って帰って来ても、人の心を打つおいしい真のフランス菓子は、100%に近いパティスィエができません。今はフランスからの菓子の素材も数多く輸入されていますが、牛乳・生クリーム・バター・卵・粉などの基本的な素材には、フランスと日本の間にはとてつもなく大きな違いがあります。これは素材の味わいだけではなく物理的化学的性質まで異なります。

フランスと同じレシピ・技術で作っても決して同じ味わいは作れません。

でも、この素材の違いを克服するのはとても難しく、私でも、やっと形が少しついてきたかなと思えるまでには初めての渡仏から15年弱が必要でした。

でも、このとてもつらい仕事を100%に近い日本人パティスィエはさけて通っていっぱしのフランス菓子のパティスィエ面をします。これがどこの菓子屋へ行っても菓子がまずい一番の理由です。

テレビや本によく出ている有名シェフ、いっぱいいますけど、本当にうまい菓子を店に出しているところはどれだけありますか。

 

 

(若いうちに味わいを作り上げる訓練をしなければならない)

○この味わいの訓練は、日本の素材で日々真剣に仕事をすることによってのみ可能となります。そしてそれは35才までです。それをすぎるとなかなか鋭い味のセンスは不可能ではないが難しくなります。

○飴細工とかピエスモンテ(何の意味もない馬鹿の一つ覚えの砂糖で作るオブジェ)などは、そればかりやっていれば誰でも2年ほどやれば形がつく。一番気楽で簡単なパティスィエとしての形をつける手段です。

 

 

(日々の仕事に目をそむけ一発あてる)

でも今は私のように考えそれを実行するパティスィエは極めて少なくなりました。

日々の菓子作りの仕事にベストを尽くすことはとてもつらいのです。味わいの高さ・追求は肉体的精神的にもとても難しいのです。

大分前ですが日本人パティスィエがコンテスト、クープ・ドゥ・モンド一位になって以来、日本の菓子業界アルティザンの領域は一気に崩壊に向かいました。

 

マスコミは世界のコンテスト優勝ということで、お菓子作りとはどのようなことなのかは全くわからずに華々しく取り上げます。そして愚かなマスコミだけが唯一の判断基準である日本人は、その全てを信じ込みます。

そして形だけを追い求める利口でない日本人はコンクールで1位を取ったパティスィエの名を借りて簡単に儲けようとして、パティスリーのプロデュースなど、名を借りるために高い金を払います。大立身出世、あっというまにお金持ちパティスィエができあがります。

こういう華々しい面を見るともう誰も、特に若いパティスィエは、日々のおいしいお菓子を作るなんてどうしようもなくみみっちく馬鹿らしく思えて、もう誰もおいしいお菓子を作れるようになろうとは思いません。

あっという間に殆んどのパティスィエが飴細工やピエスモンテだけに夢中になります。

今ほど基本的な味わいの為の技術や考えがおろそかにされたことはありません。

 

(金とゴルフとテレビ出演は技術をストップさせる)

私はお菓子作りが好きでしたから、必ずうまい自分のお菓子を作れるようになりデコレーションなどもきっと上手になるんだと思って頑張りました。1回目のフランスに行く前に東京のお菓子屋でチーフをしていて、一度赤坂にあるキャバレー「帝」へ乳業メーカーの接待で連れて行かれたこともあります。人間ってその気になっちゃうんですね。自分がえらくなったと勘違いしてしまう。でもこういうのにはまってしまうと、自分のお菓子はストップしてしまうと思い、それ以来そういう接待には行ったことはありません。

1度目のフランスへ行ってからは、かなりフランス菓子にのめりこんでいました。一度誘われて少し練習してからゴルフコースへ出たことがありましたが、あんまり面白くて、又、ゴルフにつかると大体仕事はいいかげんになってしまう菓子屋や料理人を見ているので、ゴルフもそれで止めました。

テレビ出演の話も度々ありましたが、やはりテレビに出たとたんに自分を勘違いして仕事をおろそかにする人を何人も見ているので、自分の心とお菓子作りの技がちゃんと形をつくるまで断わり続けました。

お金にも負けないようにと気持ちを引き締めていました。やはりお金を手にすると特に仕事以外で得たあぶく銭の味をしめれば、仕事なんかどうでもよくなります。特に自分は怠け者だから気を付けなければいけないと金は遠ざけました。何社かメーカーの材料を推薦してほしいと依頼が来ましたが、その素材は私には良いとは思えなかったので受けませんでした。勿論リベートがある話です。でも、自分が良いと思った材料は積極的に勝手に推薦しましたが、お金を受け取ったことはありません。当時の私は対外的にもかなり力がついていました。誰も見向きもしなかった「明治の発酵バター」が、私が使い始めるとあっという間に菓子屋の間でトップブランドになりました。

ドゥニ・リュッフェルさんのお菓子料理講習会は2/3の回数が赤字でしたが、後援はどこからも受けないでやってきました。

「暮しの手帖」と同じように。

小田急沿線にあるパティスリーの有名オーナーパティスィエの中には、「自分は店をオープンする時、機械類には1円も使っていない」と、来る人に自慢していた人もいます。何百万の機械ですよ。今だったら千万をこえるでしょう。要するに自分の名を利用してただに持ってこさせた訳です。そしてそういうことができる自分は凄いだろうと自慢する訳です。

400万円もするオーブンをただで納入するから是非使ってみてくれ、などという依頼もありました。勿論断ります。有名シェフにただでいく分のお金が普通のパティスィエのオーブンの値段にのっけられるんです。そんなことはパティスィエとして以前に人間としてできない。

 

 

(色んな誘惑を断ってきたから、誰にも作れない孤高の味わいを作れる自分がある)

道を誤っていれば生来怠け者の私はどうしようもなくまずい菓子を当たり前のように出す厚顔無恥な、正に、みみっちいパティスィエだったでしょう。

今、代官山の店の前の通りには、「ここが日本で一番おいしいフランス菓子のイル・プルー・シュル・ラ・セーヌです」と堂々と看板を出して商売をしています。しかし自信を持ってこう言えるようになるまでは勿論お菓子作りの仕事も頑張りましたが、金、テレビ(名誉欲)、ゴルフと様々な雑音を遮断して自分の心を律して来たからこそ可能だったのです。

(皆さん騙されないで下さい。コンクールで世界一になったからと言って

うまい菓子が作れる訳ではありません)

お菓子屋の店頭には多くの種類のお菓子が並んでいます。

生菓子25種位、クッキー類15種類位、パン類10種類、パウンドケーキ数種類、そして季節によっては氷菓、プティ・ショコラです。

これらを全て一定水準で作り続けることはとても大変なことです。

しかし、イル・プルー・シュル・ラ・セーヌでは福田シェフの下、日本で一番おいしいお菓子を作り続けています。

お菓子屋にとって最も大事な本分、何度も言いますがそれはお菓子のおいしさが全てであり、その為に知力・体力の全てを注ぎ込むことなんです。

でも、砂糖のオブジェ作りを一番にして来た人には、まずおいしいお菓子は作れません。

世界のコンテストで一番になったと言っても、飴細工を中心とした砂糖のオブジェと綺麗さ・見てくれだけの形だけのお菓子です。特にオブジェ作りは、パティスィエの日々の大事な仕事の一部分でも全てでもありません。コンクールで一位と言うとお菓子の味わいも全てが一位と皆さんは思われるでしょうがそうではありません。

これらはお菓子屋の日々の大事な仕事とは全く異なる特殊な領域の仕事なのです。こればっかりにのめりこんでいるパティスィエはまずお菓子の技術的基本を全く知りません。うまい菓子などできる訳はありません。まあこれは多くの人がもう分かっているでしょう。ですからこればかりをやっている人達は、正しくはパティスィエではありません。「砂糖を原料としたオブジェ屋」に過ぎません。

こういう人達にとって、旨い菓子など興味ありません。いや、作りたくても不可能です。要するに何でもいいから「世界一」という肩書きを得てマスコミに取り入れ、これを手段にしてあぶく銭を手にしたいだけなのです。「まれ」という朝ドラ、何度か見ました。ある有名パティスィエがお菓子作りの技術の監修者とのことでしたが、それにしても「まれ」のお菓子の作り方は稚拙ででたらめだらけでした。あんな作り方では、とうていうまい菓子はできません。まあ、ただあきれました。

 

 

(もう一人の大成功の、猿回しのご主人様よりえらくなった猿パティスィエ)

ここではとりあえずパティスィエと書いておくが、こんな猿のような人間が私達のパティスィエ仲間であることはたまらなく恥ずかしい。

初めは日本のフランス菓子業界の月刊誌で彼の技術のあまりの稚拙さを知りました。

パリである日本人のパティスィエが店を出したということは聞いていた。まあ大変だろうけどいいお菓子を作ってくれればなあと思っていました。

パリで店を出したということでしばらくして正しく時のパティスィエでした。日本菓子協会で企画した、このパティスィエのフランス菓子講習会がありました。その内容が詳しくのっていました。

あれ、まーっ。あまりに程度の低い稚拙すぎるお菓子・技術に目を疑いました。ただパリへ店を出したからといって、すぐに飛びつく、協会の中心にいる人たちの定見のなさにただただあきれました。

ちょっと読んだだけで、とにかくまずすぎる菓子だろうと察しがつきました。

「こんなのがパリで作られて、フランス人に売られてんの、全く恥ずかしいよな」というのが一番の思いでした。

まあ、でも、このパティスィエ本人はお菓子造りに手をださず、他のパティスィエにまかせれば何とか売れるものはできるかと思いました。彼が一緒に作れば危ないでしょうけど。

でも、日本人も日本人のパティスィエも本当に馬鹿ですよ。

このパティスィエの名を更に高めた、抹茶のフィナンスィエ、旨い訳がない。奇をてらって自分のお菓子の稚拙さを隠そうとする、この手の人間が思いつく全くチャチなやり方です。

フィナンスィエは高い温度で外側をカリッと焼き上げます。かなり濃い焼き色がつきます。このこげくささとお茶の味わいが合う訳がない。

まあとにかく、目先の評価につられて、旨くもないものを旨いだろうと思ってしまう。自分の目と頭で判断できない。どうしようもない。フィナンスィエってシンプルな配合と作り方ですが、混ぜ方一つで、そのおいしさと味わいが変わってしまう。

前述の機関誌を読めば、旨いフィナスィエを作る力量など少しもないことはあきらかです。

似たようなことがあります。

 

フランスのエシレのバターで作った1400円もするフィナンスィエなんてのを自慢気にもらったことがあるけど、とんでもなくくそまずかった。

ドゥニさんの店ではフィナンスィエに使うこがしバターは安いものを使っていました。

どこのパティスリーでもエシレのバターなんか使いません。エシレのバターはクレーム・オ・ラールなどに使います。

技術が稚拙でアーモンドなどの他の素材を選ぶ目がなくては、エシレのバターを使っても旨いフィナンスィエは作れないのです。作る人間も買う人間も情けない。

協会のお偉いさんはパリ出店のパティスィエの技術の稚拙さを知ってか知らずか、彼にすりより、正に彼を押し上げる風が吹き続けました。

そしてテレビなどマスコミが注目し始めました。

特に彼の面白おかしい猿回し的パフォーマンスは稚拙な番組には向いているのでしょう。ある時テレビをつけたら彼がマカロンをチョコレートでトランペしているのを見て絶句しました。

まあ、マカロンのチョコレートがけなんて聞いたことがないから、彼が最初に考えたのでしょう。凄いといえば凄い、味わいの発展という意味ではなくて、またもや奇をてらった猿回し的パフォーマンスを考える発想の仕方と、それを恥も外聞もなく公衆の面前でやってしまうというのは他の人にはない天才的な能力ですよ。

猿みたいなパティスィエはテレビには便利なんです。とりあえず場を持たせてくれる。

でも菓子屋は総じて利口じゃないから、彼はちゃんとしたパティスィエで卓越した技術を持っていると思い込んでいる憐れな菓子屋のお偉いさんが未だいる。

仙台で氏のフランス菓子技術講習会があったそうだ。講習の最中にやおらシャンパンのボトルを出し、栓を抜き、グラスに注ぎ飲みながら技術の講習を始めたそうだ。

参加者もビックリしたらしいけど、私もビックリした。

日本中が、そして日本のパティスィエが阿保だから、ついに猿回しの猿が勘違いして人間より俺さまの方が偉いんだと思い込んでしまったんだよ。まあ、アルコールなしでは人の前では何もできないケツの穴の小さい人間とも聞いている。

 

 

(パティスリー・ミエを買うことの責任)

私も研修したパリのパティスリー・ミエは、オーナーの意向で売り払われた。それを彼と、全日空が買った。フランスでは街の景観とか歴史的意義を伝える為に、店の外観と名前は変えていけないことになっている。ドゥニさんが仕切っていなくても「パティスリー・ミエ」である。

聞くところによると、フランス人のお客は大きく減り、訳の分からぬ日本人観光客がいる位とのこと。勿論お菓子その他はまずくなっている。昔からのお客さんが「レシピを変えたのか」と聞くと「以前と同じレシピです」と答えるそうだ。

ドゥニ・リュッフェルも言っているように、今は全く洽のパティスィエの集まりと化したルレ・デセールの集まりでは、あちこちで「ミエの昔のルセットゥ持っていないか」と聞き回っているという。

フランス人パティスィエの間では神の如く尊敬されて来た「ミエ」という店を引き継ぐにはそれなりの覚悟がいるはずだ。

自分もパティスィエの端くれだと言いたいのなら日本でアルバイトばっかりやっていないで、フランスで初心者の学校に通って、今一度「いち」から勉強し直して稚拙なお菓子作りを恥ずかしく思い、もう少しはマシなパティスィエにならなければいけない。

重い名を継ぐということは、それを維持する為の大きな責任もあるはずだ。

 

今一度最後に言おう、彼はパティスィエではない。白いコックコートを着た猿が、真実の希薄な時代の流れにのり、自分がこの時代の主役だと思いこみ、あまり利口とは言えない日本人と日本のパティスィエを煙に巻いているだけなのだ。

(業界紙の志の低さ)

 

 

(専門学校にも重い責任の一端がある)

パティスィエの領域はこんな実態のない状態になってしまった。こんな阿保な華やかさに憧れて、多くの、特に女子がパティスィエになろうと、専門学校に行く、しかし卒業して3年もすれば60%がお菓子の世界からいなくなる。(専門学校の責任)

勿論これは業界全体で考えなければいけないことではある。

しかし、多くの製菓等専門学校の責任も大きい。

確かに、料理・製菓専門学校はあちこちに数多くある。

これから若者の数が減少して新規入学者の獲得が困難なのは分かる。

しかし料理・お菓子はうまく作ってこそ存在の意義がある。

おいしいお菓子を教える、これが教育の中心になければならない。そして手仕事はずっと一生の努力が必要で労働時間も長くきつい仕事であることも教えなければならない。

 

 

しかし、華やかな部分だけを強調して早い話が何も分らない若者やその親をだまして、釣り上げようという風潮がとても強い。

つまり、お菓子のデコレーションや砂糖のオブジェ作りだけに力を注ぎこみ、「こんなにお菓子作りは華やかで楽しいんですよ」「私達の学校はこんなにも多くの海外・国内のコンテストで賞をとっていますよ」というアピールである。

そして、技術なんて実はたいしたことないんだがテレビに出ているような、有名シェフを学校に呼んで、巷の人達にアピールする。

普通の人は何の判断の基準なんか持っていないのだから、まあ、これでだまされてしまう。

しかし、入学してみれば、実際のお菓子作りは教授陣も稚拙な技術しかもたない。おいしいお菓子の素晴らしさ、嬉しさも教えられない。食の手作りの仕事の厳しさ、大変さも、まじめな仕事への取組み方も教えられない。

卒業し実際の菓子作りの現場に立つと、「あれこんなはずじゃなかった」ときつい仕事に負け、60%がやめてしまう。

 

私の教室に来る子達の何人かは「学校ではおいしいお菓子など無縁だったし、お菓子ってまずいもんだと思っていた」と真情を吐露します。

確かに菓子屋はきつい、しかし自分の作ったお菓子のおいしさが食べる人を喜ばせ幸せを与えるということを知っていれば、そんなに簡単にやめることはないと思う。

生徒の将来の本当の幸せを考えず、ただ生徒を釣り上げることだけに力を入れる学校ではあってはならないと思う。

○その点で、私が定期的に教えに行っていた仙台の宮城野調理師学園には、学生達に旨いお菓子を作ることの喜びを教えようとしている。見てくれだけではない、こういう学校を選ぶべきだ。

 

 

(全てが崩れ去った手作りの食の領域)

まあこれらの二人のパティスィエは時代の流れに乗って、大きなお金を得たのでしょうから、彼等は大満足でしょう。

しかし、これから同じことをやったからと言って若いパティスィエが、又彼等のように金を得るということで成功するかどうかは分からない。

専門学校は、あさはかで虚飾にまみれた成功を追わせるような教育をやめて、もう一度手作りとは何かを考えましょう。

そして馬鹿の一つ覚えで砂糖のオブジェ作りに専念する疑似パティスィエ諸君、お菓子屋の喜びはそんなところにないよ。

もう一回、額につらい汗を流すことを考えてみよう。

1020年先にはずっとこっちの方が心に残るものがあるよ。

 

 

(私の最後の仕事)

今、私のパティスィエ人生の中で得たもの全てを、私の頭の中を100%移し出そうという本をやっています。

大体200頁の本で5冊位になるでしょう。34年はかかると思います。

今までにない画期的な内容です。

お菓子作りが好きな人が真剣に勉強する為の本です。

この本を見ればフランスに行かなくてもフランス的な味わいが作れる。

1つのお菓子を今まで誰も考えたことのない手法を多角度から分析しています。

 

木べらの混ぜ方だけで、大きな1頁が埋まってしまう。

一つのお菓子を作り上げる為にどれほどの心と体のエネルギーを今69才まで注いできたか分かります。

それを見れば時代の寵児二人のパティスィエ、生徒を心から思っていない学校経営者全てが必ず大きな恥ずかしさを感じるでしょう。

 

 

 

乳がん患者の方からのお手紙

「ルネサンスごはん」の驚くべき効果は拙著『ルネサンスごはんは放射能にもたやすく負けない』の中でも、そしてこのホームページでも既に皆さんもよく理解されていますよね。

最近、ある方から次のような手紙を頂きました。

この方と初めて会った時は顔色はかなり黒く、何よりも表情に少しも精気がありませんでした。乳がんの手術を受けたことは聞いていましたが、この顔色が治療による副作用によるものかどうかは分かりませんでしたが、とにかく「ルネサンスごはん」を食べれば必ず大きな良い変化があることは確信がありました。

話を聞いてみれば世間一般の常識に従って身体に摂って最も望ましい食事は「野菜をたくさん食べること」と「減塩」で、それを出来る限り実行しているということをきいて、ますますすぐに大きな変化が現れると考えました。

『新版ごはんとおかずのルネサンス基本編』をプレゼントして、とにかくこの本に従ってご飯を作って食べて観なさい、必ず良い変化が現れるからと励ましました。

そして一ヵ月、多分二週間ぶりに会いました。

私も本当に驚きました。顔の黒いくすみがきれいに取れ、全く別人の顔色と表情になっていました。瞳が本当に微笑んでいました。そして様々の変化を話してくれました。中でも半ばあきらめていた通経があったことを聞いて私も本当にうれしくなりました。

未だ若いのに子供を持てないとなっては心はどれだけどん底の状態だったでしょうか。こんな大きな変化が来ることも分かっている。分かっているけれど「ルネサンスごはん」の凄さにはただただ驚いてしまうのです。

一週間、二週間おきと、さらに顔色は透明感と赤みを増して、表情にも「やる気」を感じるようになりました。

近いうちにいりこサプリメントも食べてもらい、さらに彼女の状態をしっかりしたものにしたいと思います。このように「ルネサンスごはん」は重篤な病気で消耗した身体に細胞が必要としている「生命を維持するための基本的で重要な栄養素を豊かに補給してくれます。だからこそこんな大きな変化も当たり前のこととして現れるのです。

この日本に広まっている常識と食べ物では今は元気と思っている方でも実はそれは未だ本当の健康ではなく、ルネサンスごはんによってもっと力に満ちた心と身体から溢れる「元気」が得られます。

 

「ルネサンスごはん」のもう一つ凄い点

◎お金はかかりません。普通のスーパーの野菜などをベースとしているからです。

◎ただ最近分かってきたことですが食道や胃の切除などをされた方には野菜などの具材をもっと小さく、そして柔らかくして食べやすく、少しでも消化しやすくすることが必要かなと思っています。

 

ルネサンスごはんと私

私は2年半前に乳がんになり、手術を受けました。リンパへの転移もあり、抗がん剤治療、放射線治療、ホルモン剤治療を受けました。がん治療の副作用は人それぞれですが、私は抗がん剤で髪が抜け、つめが黒くもろくなり、味覚障害で甘味が感じられなくなり、生理も来なくなりました。また、放射線治療では、放射線をあてた部分の肌が黒く硬くなりました。ホルモン剤治療では、更年期障害のようなホットフラッシュ、体のだるさや重みを感じるなど、とにかく、思いもよらない副作用を次々と経験しました。手術後も1年目は抗がん剤や放射線治療が立て続けにありましたので、今でも思い出すと、とても大変な日々でした。

しかし、これらの副作用は徐々に回復すると担当の医師から聞いていましたし、実際に治療もホルモン剤治療と定期的な検査になってくると「あー、元の体に戻れるのだな。」と希望を持つことができました。そのうち、徐々に髪も生えて、味覚も戻り、体も回復に向かい、思ったよりも早く社会復帰することができました。

しかし、この喜ぶべき社会復帰で一人暮らしを始めたことで、またもや私の体に変化が起きました。便秘に肌荒れ、今までなかった花粉症まで発症し、せっかく頑張ってきた治療の副作用の改善も見られなくなったのです。中でも一番ショックだったのは、手術後2年経っても戻ってこない生理でした。「早くて1か月、遅くても2年のうちには戻ってくるから安心しなさい」と医師から聞いていたのですが、術後2年目の診察では「生理が戻ってこないから・・・子供をあきらめるという選択肢も考えないといけないかもね。」と言われてしまい、私は本当にどん底まで落ち込みました。二十代半ばで、乳がんという治療が体へ及ぼすダメージの大きさを目の当たりにして、あまりにショックが大きく、頭が真っ白になりました。

 

体の悪い変化は、自分自身が招いた災いでした。退院してからすぐは実家暮らしをしたため、食生活は親任せでした。きっと私の回復のために母は一生懸命考えて食事を用意してくれたので回復も順調だったのでしょう。しかし、回復が当然の流れだと勘違いしてしまった私は、一人暮らしをきっかけに、外食やコンビニのお弁当、お惣菜や冷凍食品まみれの気ままな食生活をしていたのです。

 

食生活を改善しなければと思いつつ、でもどこから手をつけてよいのか、自分がどうすればいいのか、何をすれば希望が持てるのか、もう希望は本当になくなったのかと悩んでいた私を変えてくれたのが、「ルネサンスごはん」です。

基本のご飯を食べてみました。まず驚いたのが、ご飯の炊ける香りのよいこと!今までには出会ったことのない、香ばしい香りに、一瞬で心と胃袋を掴まれました。日本のお米とタイのお米の甘み、いりこと昆布の旨み、ほんのり塩味のオリーブの香りが本当に美味しくて、タイ米は食べる機会がなかったのでこんなにも美味しいのかとびっくりしました。

また、お味噌汁も衝撃的でした。今までインスタントの出汁の素を使っていましたが、ルネサンスごはんでは、いりこと昆布と鰹節厚削りで出汁をとり、具材と一緒に食べる、今までにないお味噌汁です。野菜の旨みや出汁の旨みが口の中で広がりとても美味しいのです。野菜がいっぱい入っていて食べるお味噌汁なので、ごはんとお味噌汁だけでも満足感のある献立になります。作り方が楽なので私も毎日無理なく続けることができます。

 

私はルネサンスごはんを通じて、栄養素と健康の深い関係を知ることができ、ますます好きになりました。健康食というのはあまり美味しいイメージがなく、手間がかかると思っていましたので、ルネサンスごはんは、私の間違った知識を正してくれました。

ルネサンスごはんに出会ってからは、健康のためと言うのもありますが、美味しくて毎日食べたいという思いで自然に自炊するようになりました。ルネサンスごはんを続けていると、顔色が良くなったと言われるようになり、便通も良くなり肌荒れも改善されていきました。食べ初めてまだ3ヶ月ですが、花粉症も良くなっています。

治療の副作用にも改善が見られました。放射線治療後の肌の跡も白くなって肌が柔らかくなり、爪の黒さもなくなって頻繁に割れて弱かったのが強くなり、ホルモン剤治療でのホットフラッシュや、体のだるさや重みが気にならなくなりました。

そして、一番驚いたことは、私に生理が戻ってきたのです。

医師にも「あきらめて・・」と言われ、自分自身もあきらめかけていたのに、まだ不順ではありますが、2年半ぶりの喜びが、毎月くるようになりました。

私の体は、乳がんを発症する前の体へと戻っていっています。

言葉にできないほどの喜びと、ルネサンスごはんへの感謝でいっぱいです。

今も乳がんの治療は続いています。でも、私は希望がわき、自信が戻ってきました。体調の変化が目に見える喜び、体で感じられる喜びがあるのが、うれしくて楽しくて充実した日々を過ごしています。これからも、ルネサンスごはんを続けます。

健康な体へ一歩一歩踏み出せるように・・・

ルネサンスごはんとの出会いに心から感謝しております。

本当にありがとうございます。

フランス最後の正統の巨人パティスィエ・キュイズィニエ ドゥニ・リュッフェル氏 日本講習会30回記念の新作  塩味のサブレ・ミモレットゥ

ドゥニ・リュッフェルさんを迎えてのイル・プルー・シュル・ラ・セーヌ企画主催のフランス料理・お菓子講習会は今年ついに30回目を終えました。

ドゥニ・リュッフェル氏の料理・お菓子はこの日本で多くの人たちに感動のおいしさを伝えてきました。

彼は、軽薄なミシュラン等のマスメディアにおもねる世界とは全く対極にあるパティスィエ・キュイズィニエであり、フランスでは元大統領のサルコジ氏はじめ多くの食通の支持を得てきました。

 

ドゥニ・リュッフェルはこの30回目の来日を記念し、フランス産のチーズ「ミモレットゥ」の塩味のクッキーを新たに作り上げてきました。

とにかく旨い。旨さに少しの切れ目もない。心と身体、五感に隙間なく押しよせる、なつかしさに満ちた正に正統のフランスの味わいです。

初めて口にされる方はきっと「うーん」と唸られるはずです。類似のものは既にありますが、この比ではありません。

 

一度食べてみなくては分かりません。

是非ご来店下さい。

お届け菓子

毎月お届け!火曜日はお届け菓子の日

 

4月が第1回目のお届けとなります。1年間月1回、季節の選りすぐりの焼き菓子をメインにお届けします。

8月のビールやシャンパンにぴったりの塩味のシフォンケーキ「エルブ・ドゥ・プロヴァンス」、ちょっと早いのですが11月フランス・アルザスのごく少量のパン生地にドライフルーツを混ぜ焼き上げたビルヴェッカ、12月の本場ドイツよりもおいしいと評判のマンデル・シュトレンは毎年定番となります。

その他の月は、前年の新作のお菓子や以前評判を頂いたお菓子等を毎年選りすぐりお届けします。未だパティスリーでは売られていないものや、以前はあったが今はないものなど様々なお菓子が用意されます。

ご利用のお客様は様々で特に地方にお住まいでなかなかイル・プルー・シュル・ラ・セーヌまでは行けないという方にとても喜ばれています。

あるいはお世話になった方や田舎のお父さんやお母さんに、一年間イル・プルー・シュル・ラ・セーヌのとびきりの味わいを楽しんでいただこうとプレゼントに利用される方もおられます。

他のパティスリーに追随を許さない孤高のおいしさのイル・プルー・シュル・ラ・セーヌのお菓子は決して期待を裏切りません。

今年もあと少しで、3月末でお申し込みが締め切りとなります。

ぜひご利用ください。


お申し込みはコチラ

 

★マークはお酒を使用しています。

お届け菓子カレンダー

4月 タルトゥ・サンチャゴ≪新登場≫

直径約18cm1台 通常価格¥2,900(税抜)

派手な味わいではありません。ふつふつと心に宿る静かなおいしさです。勿論、本物と同じようにとはいきませんが、何とか私の心にかなうものが出来ました。ぜひ食べてみてください。

約8人分 賞味期限6日間

お届け日:前半4/7 後半4/21

 

5月 カレ・アルザスィアン

約17cm角1台 通常価格¥2,100(税抜)

例えようもないパイとヌガーの五感におしよせる味わい、そしてそれと競い合う、深い味わいのフランボワーズ、正に炎のごとく、心と身体を包み込みます。

約8人分、賞味期限3日間  

お届け日:前半5/12 後半5/26

 

6月 百花蜜のクッキー≪新登場≫10枚入 通常価格 ¥2,150(税抜)

プロヴァンス産のコクのある深い味わいの天然はちみつと波照間産の黒糖、クルミを合わせました。香り、歯触り、味わいが重なり、ほっと嬉しくなる美味しさです。

賞味期限10日間

お届け日:前半6/9 後半6/23

 

7月 パッションフルーツのダックワーズ 

10個入 通常価格 ¥2,800(税抜)

軽やかなの夏の為のダックワーズです。さわやかに晴れやかに、精いっぱい楽しく作りました。

賞味期限冷蔵6日間

【冷蔵便】

お届け日:前半7/7 後半7/21 

 

8月 エルブ・ドゥ・プロヴァンスとチーズのシフォン

直径約17cm1台 通常価格¥2,600(税抜)

夏に一度はこれがないとさびしい塩味のシフォンケーキ。エルブ・ドゥ・プロヴァンスの香りが食欲をそそります。朝食にもおすすめです。

約8人分、賞味期限冷蔵2日間

お届け日:前半8/18 後半8/25

 

9月 バナナとココナッツのタルトゥ

直径約18㎝1台 通常価格¥2,430(税抜)

晴れ渡った南の島、バナナとココナッツが手を取り合い、木陰に吹き渡る爽やかな風のような味わいを作り出します。

約8人分 賞味期限3日間

【冷蔵便】

お届け日:前半9/8 後半9/29 

 

10月 クレオル

10個入 通常価格¥4,200(税抜)

さつまいもが滋味豊かなスペイン産のアーモンドに後押しされ、心がふーっと沈み込む懐かしく暖かい表情をみせています。まさしく弓田亨の味わいの一つです。

賞味期限冷蔵5日間

お届け日:前半10/6 後半10/20

 

11月 マンデル・シュトレン 

約18cm×8cm1本 通常価格¥2,500(税抜)

これを食べられたドイツ在住の方も、ドイツで食べたいくつものシュトレンより美味しかったと、声を弾ませて言われます。それがイル・プルーの力なのです。

約8人分、賞味期限7日間

お届け日:前半11/10 後半11/17

 

12月 ビルヴェッカ 

約17cm×7cm1本 通常価格¥2,500(税抜)

フランス・アルザスの伝統的なクリスマスケーキ。アルザス語で干したビルヴェッカ(洋梨)をメインに、さまざまな干しフルーツを加えて焼き上げました。

約8人分、賞味期限14日間

お届け日:12/1 

 

1月 アリュメットゥ・オ・マロン

約9cm×18cm 通常価格¥2,200(税抜)

子供の頃の、どんなことがあっても家に帰れば自分を待っていてくれる人がいる、という暖かさが、栗のポックリとした味わいと重なります。

約6人分、賞味期限3日間

お届け日:前半1/12 後半1/19

 

2月 ムワルー・オ・ショコラ

6個入 通常価格¥2,550(税抜)

チョコレートの生地の中にトリュフを入れた、とってもリッチな味わいの焼菓子です。

賞味期限4日間

お届け日:前半2/2 後半2/23

 

3月 孤高の味わいのマカロン10種

10個入 通常価格¥2,600(税抜)

自然な素材のみで作った、とんでもなくおいしく、身体にも幸せを与えるマカロンです。それぞれの生地に深い味わいを与え、中に挟まれたクリームと競い合わせ、より大きな五感に迫りくるおいしさを作り上げます。 

賞味期限冷蔵3日間 【冷凍便】

お届け日:前半3/1 後半3/22

 

私が考える、イル・プルーの教室とは

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(弓田亨のお菓子の世界を学ぶ)
日本で一番うまいフランス菓子を作るパティスィエが
どんなパティスィエも作れないうまいフランス菓子を
日本で一番分かりやすい技術で教える
アマチュアもプロもOK。

この日本には本当においしいお菓子を作り、
そしてそれを正しく平明に教えることが出来るところは、
このイル・プルー・シュル・ラ・セーヌしかありません。

貴方はイル・プルー・シュル・ラ・セーヌのお菓子を食べたことがありますか? 1度食べれば必ず、ここだけにしかない心を打つ特別なおいしさを感じられるはずです。 この日本で、食べる人の心を魅了し、喜びに満ちた本当のおいしさをたたえたフランス菓子を作り、そしてそれを正しく分かりやすく生徒さんたちに教えることが出来るところは、このイル・プルー・シュル・ラ・セーヌのフランス菓子・料理教室しかありません。 誰がそんなことを決めるのかと思われるでしょう。まず多くのパティスィエがそのことを知っていますし大勢のお客様もそう言われます。何よりも私には絶対的な自信があります。

私には正しく孤高のおいしさとそれを伝えるための技術、熱すぎるほどの情熱があります。様々の専門学校、教室がありますが、それらと私どもの差はあまりにも大きいのです。

貴方は信じられないと思いますが、店のお菓子と同じおいしさを作らせます。

イル・プルーのお菓子教室では、店のお菓子とまったく同じおいしさのお菓子を作っていただくことを1番の柱としています。でも皆さんはあんなおいしさはアマチュアには作れる訳がないと思われるでしょう。でも本当はおいしいお菓子を作ることはそれほど難しいことではないのです。

なぜやさしいはずのお菓子作りがこんなにも難しいものになってしまっているのか?

その原因は2つあると思います。
1つは、フランスと日本の素材の味わいと物理的科学的性質の違いが、プロの世界でも十分に理解されていないということです。フランスと日本の素材は香り、味わい、濃度、また扱い方により生じる状態の変化など性質がまったくといっていいほど違います。この日本でフランスと同じくおいしいフランス菓子を再現するのは極めて難しく、日本の素材でフランスと同じ分量、同じ技術で作っても、同じ味わいには決してなりません。

この日本ではフランス人であってもおいしいお菓子は作れない。

皆さんも十分すぎるほどお分かりだと思いますが、フランス人がこの日本で作るフランス菓子も本当にまずいものばかりです。でもそれは無理もないことです。彼らは日ごろ、日本の素材に慣れ親しんでいないからです。フランス人だからうまいフランス菓子を作るだろうなどと子供じみた考えは持たないで下さい。日本とフランスでお菓子を作り、双方の素材の特性を熟知した日本人パティスィエが素材の違いを調整、克服しなければ、この日本で本当においしいフランス菓子を作ることはできません。しかしそれはとても困難で、残念ながら日本とフランス、2つの国の素材の違いを熟知したパティスィエはこの2つの国に私しかおりません。

2つ目は家庭などにおいて少量で作る場合にも、プロが多量につくる時の技術がそのまま当てはめられたものが伝わっているという点です。お菓子を作る時の基本的な考え方は、作る量が多くても少なくても同じなのですが、技術は少量のために変えなければなりません。私は教室を開いてから二十年余、常に生徒さんとの実践の中で少量のお菓子作りの技術を築き上げてきました。初めは10人のうち1人しかできなかったお菓子を、より多くの人が出来るようにと常に技術の改良を続けてきました。そして10人全員が出来るようになりました。その技術を多くの方に伝え、おいしいフランス菓子を作っていただきたいのです。


私は新学期の最初の日に必ず生徒さんに伝えることがあります。

「皆さんの選択はこれ以上ない最上のものでした。やがて2~3ヶ月もすると、今まで皆さんがおいしいと思っていた、どんな有名シェフのお菓子も、少しのおいしさも感じられなくなります。皆さんが自身で作るお菓子と、イル・プルー・シュル・ラ・セーヌのお菓子しか食べられなくなります」
また多くの生徒さんが子どもも大人も、よそのお菓子を食べなくなると言われます。
それまでイル・プルー・シュル・ラ・セーヌのお菓子を食べたことのない生徒さんは、「このオジサンは何を言っているんだ」と反発の心を持たれます。
でも、卒業の時に、あまりにも多くの生徒さんが「もう、イル・プルー・シュル・ラ・セーヌ以外のお菓子は食べられなくなってしまった」と告白されます。
もちろん、この文を読んだ貴方も、私の言うことをすぐには信じることは出来ません。それは当たり前です。(⇒卒業生・鼠入さんの文章へ)
是非、イル・プルー・シュル・ラ・セーヌの店においで下さい。そして、私たちのお菓子を食べて下さい。店へ来たなら、「どれがお薦めですか」なんて聞かないで下さい。そんな質問は私にはとても心外です。どのお菓子1つとっても、それ以上においしいものは他にはないと私は断言出来ます。

どんな大のお菓子嫌いの男性もあっけなくイル・プルー・シュル・ラ・セーヌのとりこ

もし「甘いものなんか食べられるか」という男性がおられたらぜひ一緒に来て下さい。筋金入りのお菓子嫌いの男性があっという間にイル・プルーのお菓子の虜です。今はイル・プルーのお菓子を熱く語る多くの男性がおられます。でも、この方々はお菓子が嫌いではなかったのです。ただそれまで本当においしいお菓子に出会っていなかっただけなのです。

もう次は迷わず衝撃の体験レッスンです

そして食べてみて、間違いなく他のどんなお菓子屋さんよりおいしいと思われたなら、教室での体験レッスンを受けて下さい。
メレンゲの泡立て方、混ぜ方、ババロアの作り方、皆さんが巷で教わった作り方とのあまりの違いに最初はショックを受けてしまいます。皆さんがこれまで教わってきた作り方は、私の目から見れば、100%近く間違いなのです。私達の作り方はまさしく衝撃的なのです。皆さんが教わった作り方は、私の目には、失敗するように、まずくなるように作っているとしか思えません。素材の特性を熟知し、的確にポイントをとらえた指導があれば、難なくおいしいお菓子は出来てしまいます。しかしこの能力を持った者はこの日本には私しか、そしてイル・プルーのお菓子教室しかありません。

間違ったでたらめな技術では何十年頑張ってもスポンジケーキ1つすら満足に出来ない。

多分、貴方もこんな方々の一人ではないでしょうか?
「お菓子作りを10年20年やっているけれど、未だスポンジケーキがうまく出来ない」
それは何故だか分かりますか?お菓子作りの考え方、技術、その他が全くでたらめだからです。このイル・プルー・シュル・ラ・セーヌでは、スポンジケーキを失敗するなんて考えられません。私どものやり方で正しい作り方を学べば、誰でも確実に出来てしまいます。卵液の温度、砂糖の量との関係を知り、正しいハンドミキサーの使い方、混ぜ方のポイントを知れば、スポンジケーキはとても簡単です。イル・プルー・シュル・ラ・セーヌの作り方を一度見れば、もう膨らまないスポンジケーキや縮んでしまうものはもう決して出来ません。

全くの初心者でもとびきりおいしいお菓子が作れることの衝撃

体験レッスンでは、お菓子作りが全く初めての人でも、今まで作ったことのない、とんでもなくおいしいお菓子が出来ることを、今から保証します。
貴方が作ったものを、家に持って帰られても、あまりのおいしさに家の人は貴方が自分で作ったとは信じてくれないでしょう。
「先生が作ったものを貰ってきたんでしょう」と間違いなくいぶかしがられます。
お金は十分にないが、なんとかイル・プルー・シュル・ラ・セーヌのお菓子を作れるようになりたいと考える生徒さんが、山陰、関西、東北から夜行バスで通われています。朝7時頃東京に着き、山手線を2周して少し眠ってから教室に来られるのです。
もちろん、その他全国各地から、年間350人以上の方が教室に来られます。
日本全国、どんな遠くの人をも引き付けるのがイル・プルー・シュル・ラ・セーヌのお菓子であり、教え方なのです。

>>>続きはコチラをどうぞ。

この雨色は一人の菓子職人の最後の心の色なのです

イル・プルー・シュル・ラ・セーヌ、セーヌ川に雨が降る。
ようやく私の情念を表した新しいイル・プルーの新しい青ができました。
染め上げた雨色は正に私の菓子職人としての歩みを表したもの。
私は、お菓子づくりの人生で一つもお菓子に嘘をついたことはありません。
いつも誰も追いつけない領域を一人目指してきました。
深い雨のブルーは、贈られるお菓子とともに添えられた貴方の心を
確かに力強く、貴方の大事な方に伝えます。
お二人の間にそっとおかれた雨色の手提げ袋。
これ以上に真実の心の交わりはありません。
弓田亨
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弓田亨が可能にした奇跡のワイン【赤ワインのおいしい飲み方】

おいしい飲み方を、弓田亨自らが解説した動画をアップしました。

ぜひご覧ください。
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料理人・ソムリエの方対象★プロ向けワイン試飲会開催

専門料理10月19日発売号でも告知しましたが、

このたび料理人、ソムリエの方対象のワイン試飲会を開催することになりました。
弓田亨が自ら解説し、約10銘柄を試飲していただきます。ぜひご参加ください。
お問い合わせ・お申し込みは、下記輸入販売部まで。
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イル・プルー・シュル・ラ・セーヌ
奇跡のワイン プロ向け無料試飲会開催

イル・プルーが独自にフランスから輸入するワインを幅広く知ってもらうため、料理人やソムリエなどプロ対象の試飲会を開催いたします。ブルゴーニュの赤、白、クレマンなど、レストラン向けの商品からプルミエ・クリュ、グラン・クリュなど約10銘柄を試飲していただきます。弓田亨自らワイン解説を致します。

日時:1128日(木) ①13001430 ②15001630

会場:レンタルスペース恵比寿(東京都渋谷区恵比寿西1-17-1えびす第一6F
   ※JR恵比寿駅より徒歩5分・日比谷線恵比寿駅4番出口より徒歩3
   ※東急東横線代官山駅より徒歩6

定員:各回15名様

問い合わせ:イル・プルー輸入販売部(TEL03-3476-5195


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クレマンのおいしい飲み方

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クレマン(発泡酒)はグラスを置いてそのまま注いでください。
軽く泡立った方が味、香りが立ちます。
グラスを斜めにして泡立たないように注ぐと香りが立たず、味わいが隠れたままです。
また、残ったものはキャピタンのラバーのコルクをギュッとさしこむか、ポンプで空気を抜くかして冷蔵庫に置けば、いくらかでも炭酸ガスが抜けずに残ります。
そして飲み残したもののように栓を抜いてかなりの時間がたった者はグラスを斜めにして、できるだけ泡立てないようにして注ぎます。泡立てると炭酸ガスがほとんどなくなり、香り、味わいも一気に飛んでしまいます。
少しのつっかかりもない、自然な淡さに満ちた香り、小さな密度の高い泡が立ち上り、優しく優しく、舌を愛でます。透明な流れるような味わいがフツフツと心に語りかけます。

ドゥニ・リュッフェル氏2013年度講習会 弓田亨の挨拶

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◆お菓子講習会開始の挨拶(86日・8日 於:ドーバー洋酒貿易)

皆さんおはようございます。

まず今年28回目のドゥニさんの講習会がこの快適な会場で開くことができますことをドーバー洋酒貿易株式会社様、ご参加された皆様に厚く御礼申し上げます。

さて、ドゥニさんは先月30日に日本に着かれ、料理・お菓子のための食材の選択、試作を重ねました。料理の講習は3日と4日に行われ、本当においしい料理を皆さんつくられ、幸せな時間をつくられました。

今年もまた、素晴らしいサラダがありました。

キュウリ、ジャガイモ、数種のサラダ菜を全国各地から取り寄せ、食べていただきましたが、おいしいものはただの一つもありませんでした。

ドゥニさんはこう言われました。

「栽培方法の問題なのだろうが、それぞれに、自分の野菜のイメージを満たす匂いや味わいをまったく持たないものばかりで、目をつむって食べれば匂いも味もほとんどないから難を食べているか分からないだろう。これでは選びようがない」

これは日本の産物に対する痛烈な警告なのです。その中から注意深く一つずつ食べられ、少しでもましなものを選び、サラダなどをつくられました。もちろんフランスでの味わいを完全にとはいきませんが、本当においしいサラダなどがつくられました。

今年で28回目。私たちがいつも考えることは一つです。

特に食の領域では、偽りが溢れています。真実のおいしさを見つけることはほぼ不可能となりました。私はいくつかの著書の中で述べていますが、日本の食は破滅的な状況にあります。ドゥニさんの、時代に影響されない、それを食べる人の心と身体に喜びと幸せを与える料理、お菓子を一人でも多くの人に見て食べていただき、真実の幸せなおいしさを知っていただき、それによって日本の食の状況を知り、何とか少しでも良い状態を取り戻さなければならないと考えるからにほかなりません。

どうか今日・明日の2日間、本当においしいお菓子ができてまいります。どうぞ楽しくお過ごしください。


 

◆お菓子講習会終わりの挨拶(87日・9日 於:ドーバー洋酒貿易)

皆さん、フランス菓子のおいしさ、嬉しさ、奥深さ、そして味わいの領域の広さを知っていただけましたでしょうか。私にとってもこの夏のドゥニさんとの時間は、向こう一年間にむけての大きなインスピレーションを膨らませるための大事な時です。

今回も大きな示唆を与えてくれるお菓子が数多くありました。

そのうちの一つ、ガトーバスク。これはイルプルーの1年で私も作ったことがあります。

まずはじめにドゥニさんのようにパートゥ・シュクレ、クレーム・パティスィエールにチョコレート、ココアを加えてつくりました。でもとても強烈な、まったく初めての味わいに今から考えれば萎縮してしまいました。

何か味わいが成り立たないように思えたのです。

そしてパートゥはチョコ、クレームは通常のクレーム・パティスィエール、中にガナッシュをはさみ、本来のガトーバスクらしさを残そうと考えました。

しかしドゥニさんはすべてを黒くし、本来のガトーバスクを包み込み、より大きく深い味わいを得ようとしました。このルセットゥが送られてきたとき、ちょっと愕然としました。しかしルセットゥに従って試作してみると、本来のガトーバスクを大きく超えた味わいが姿を現しました。私は心の中で「んー」と唸り声をあげました。ドゥニ・リュッフェルの強烈な個性と正統の伝統が融合した境地を感じました。そして人間の精神の可能性を知りました。何事にもひるんではいけない。そんな示唆を与えてくれたガトーバスクです。

このドゥニさんの講習会はイル・プルーの存在の意義を社員と共に確認する時間であります。今回も店のラボ、教室だけでなく全社員がずっと準備し、そして心を一つにさせてくれます。

来年もこのような時間をドゥニさんと皆さんと共有できることを願います。

ドーバー洋酒貿易様、参加された皆様、通訳の舘さん、アシスタントの細川君、そしてイル・プルーのスタッフ、皆さんに感謝いたします。

 

 

◆パーティー、懇親会での挨拶(89日 於:ポール・ボキューズ)

今回、28回目の講習会を無事に終えることができました。

730日、ドゥニさんを空港に迎えに行ったとき、一緒に行った若者の社員が「私も28歳で、この講習会と誕生の年が一緒なんです」と聞いたとき、改めて28回ってことは28年ってことなんだ」そうか、そんなになったかとこの時間の長さを認識しました。

しかしドゥニさんの仕事に突き進む意志の強さととてつもなく大きい絶えることのないエネルギーを感じます。少しも衰えていない。

今、これまでの講習会のお菓子、料理を作ってみています。その中で彼のお菓子に対する考え方、イメージが次第に深化していくのが手にとるようにわかります。特にこの10年は深みをと力を増してきています。

今、彼は61歳。でも少しもそのイメージは衰えていない。

それは今まで自分の人生を突き詰めることによって得た、巨大に蓄積されたものであると思います。彼と巡り合い、さらに友情を深め合うことができるのは、私に人生の大きな喜びです。この幸運な人生を皆さんと共に分かち合えることができ、私も本当にうれしいです。素晴らしいデモンストレーション、本当にありがとうございます。

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